釧路ロータリークラブ 国際ロータリー第2500地区 Rotary Club of Kushiro
通 算
3542
2018-2019年度
34回 例会報告
2019年04月04日
例 会 内 容
船上カメラマン 神野東子氏 講話
〜船上カメラマンとして見つめた道東の海〜
お客様紹介
脇 弘幸 会長
本日、ご来訪いただきましたお客さまをご紹介させていただきます。 船上カメラマンの神野東子様です。後ほど、「船上カメラマンとして見つめた道東の海」と題して、ご講演をいただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
転勤のご挨拶
萬 慎吾 会員
皆さん、こんにちは。元みずほ銀行の萬と申します。と言いますのも、この4月1日付けの発令で、みずほ信託銀行の本部で、不動産をはじめとしました信託ビジネスをみずほ銀行のお客さまに提供していく仕事をすることになりました。
釧路はちょうど3年前の4月1日付けの発令で来まして、同じ月にこの釧路ロータリークラブにも入会させていただきました。
私は中標津出身ということで、釧路と同じ道東で高校卒業まで過ごしました。その時にはなかなか地元の魅力を感じたことはなかったのですが、東京や大阪に行って生活をして、それからこっちに戻って来ることができて、3年過ごして改めてといいますか初めて釧路を中心とした道東が本当に素晴らしい場所なんだな、と感じました。夏は北海道のどこよりも涼しいですし、雪は意外と少ないですし、魚を食べても、野菜を食べても、肉を食べても美味しいです。自然がたくさんあります。本当に素晴らしい場所だなと、一旦地元を離れて戻って来たからこそ感じることができたのではないかと思っています。
この歴史と伝統ある釧路ロータリークラブでは、プログラム委員会、親睦委員会、青少年委員会といろいろな経験をさせていただきまして、皆さんから多くのことを学ばせていただくことができたと思っています。次は、ロータリークラブの会員ではなくなりますが、また今後、どこかでロータリークラブの会員になる可能性もあるかもしれませんので、このロータリアンの魂はここに置いていかず、しっかりと持って行こうと思っております。
私の後任は芦名 健一という者で、42歳です。私も若い支店長でしたが、42歳の若い支店長が着任します。福島県の郡山市出身で、直近は東京の新宿で勤務していた者です。いま、引き継ぎをやっているところで、再来週には正式に釧路に着任することになります。本人もロータリークラブへの入会を希望しておりますので、ぜひ、お認めいただければ幸いと思っております。3年間、本当に楽しく勉強になるロータリー活動ができたかなと思っております。本当に3年間お世話になりました。
結婚祝いの贈呈 脇 弘幸 会長
先々週だったでしょうか、市橋君から「入籍をした」という報告がありました。クラブの会員が結婚するということがなかなか無いものですから、確認したところクラブからお祝いを出せるということなので、市橋君にお渡しをしたいと思います。 結婚おめでとうございます。
(拍手)
市橋 多佳丞 会員
皆さま、改めましてこんにちは。先月の3月22日、大安になるのですが、その日に入籍をさせていただきました。入籍相手は高校の同級生といったところで同じ歳になります。先に行かれた皆さま方のスタート地点にやっと立てたかなと思っています。ぜひ、今後ともご指導・ご鞭撻をいただければと思います。 さまざまな皆さま方に私は「あっち系じゃないか」「そっち系なんじゃないか」というご心配をおかけしたかと思いますけど、これでちょっとは皆さま方に変な噂も払拭できるお手伝いをさせていただければなと思っています。今後ともぜひよろしくお願いできればと思っています。ありがとうございました。
会長の時間
会長挨拶 脇  弘幸 会長
 お食事をされている方はそのままお続けください。それでは、会長の時間ということでございますので、お話をさせていただきます。
 4月に入り、新元号の「令和」が発表され、何か新しい一歩といいますか何か良いことがありそうな、そんな気持ちになったところでございます。そして、いよいよ今月は「PETS・地区研修協議会」の開催となります。しっかりと準備をして、2500地区のロータリアンをみんなでお迎えしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そのPETSが終了しますと、2カ月ほどで吉田ガバナー年度がスタートします。スタートしてすぐにガバナー公式訪問が始まるわけですが、そこで今日は、ガバナー公式訪問について考えてみましたので、そのお話をさせていただきたいと思います。
 よくロータリーの話に出てくる『決議23-34』ですが、その第5条にはクラブの自治権について書かれています。そこには「クラブが地域社会に適した奉仕活動を自主的に選ぶ絶対的な権限を持っている」とあります。クラブの自主性ということを認めているわけです。ただし、その後には「ロータリーの目的を無視したり、クラブ結成の本来の目的を危うくするような活動を行ってはならない」と書かれています。クラブの自主性というのは、「何でもあり」ということではなく、ロータリーの目的や方針の下での自主性であるということを理解しておかなければなりません。
 また、クラブは国際ロータリーに加盟しておりますので、国際ロータリーの定款、細則を受諾しています。ですからガバナーは、国際ロータリーの役員として直接自分の目で見ることで各クラブの現状を理解し、ロータリーの目的や方針に基づいた必要な助言や支援をするためにクラブを訪問する。それがガバナー公式訪問ではないかと考えます。
 そして、公式訪問の目的として次のことが挙げられています。まず、一つ目に、ロータリーの主要問題に焦点を当て関心を持たせること。今年度は「インスピレーションになろう」というRIのテーマが掲げられています。二つ目に、弱体あるいは問題のあるクラブに特別な関心を払うこと。三つ目が、ロータリアンの意欲をかきたて奉仕活動に参加させること。そして四つ目が、顕著な貢献をしたロータリアンを表彰すること。というようなことが示されています。ガバナー公式訪問は毎年恒例の挨拶回りではないということだと思います。
 先日、ガバナーエレクト事務局から報告がありましたが、吉田ガバナーの公式訪問は7月10日の帯広ロータリークラブから始まりまして、10月3日の最終訪問となる当クラブまで、約3カ月間に67クラブを訪問することになります。総移動距離が6,500qにもなるということで、直線距離にすると釧路からハワイにも届くような距離になるようです。ガバナー公式訪問にはクラブから2名が同行する予定となっています。
 公式訪問の意義についても理解をしながら、みんなで吉田ガバナーを支え、67クラブの公式訪問を無事に終えたいと思います。皆で力を合わせて頑張っていきましょう。
 簡単ではございますが、ガバナー公式訪問についてお話させていただき、会長挨拶とさせていただきます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
本日のプログラム
船上カメラマン 神野東子氏 講話
〜船上カメラマンとして見つめた道東の海〜
クラブ運営委員会 大委員長 荒井 剛 会員
 本日の講師をご紹介させていただきます。船上カメラマンこと神野東子さんにお越しいただきました。
 釧路市出身の神野さんは高校時代、写真部に所属されていたそうですが、本格的に漁師さんを撮影し始めたのは何と3〜4年前ほどだったそうです。長いときには8時間も船に乗り、漁師さんと一緒に過ごすなかで写真を撮影されております。これまで、富士フイルムフォトサロン札幌のほか、豊洲市場内での写真展、北海道信漁連の記念大会での写真展示のほか、先月の3月8日から28日までは当クラブの柿田さんが理事長を務める和商市場にて写真展が開催されておりました。その他、釧路市役所防災庁舎1階でも開催されておりまして、私もそれを見させていただきました。
 海は釧路にとって切り離せない存在です。本日の講演を通じて、釧路の素晴らしさ、特に海の素晴らしさ、漁師の素晴らしさを感じていただけるのではないかと思います。
 では、神野さん、よろしくお願いします。
船上カメラマン 神野 東子 さん
よろしくお願いいたします。
まず、VTRでご覧いただきたいと思います。なかなかイメージがしづらいと思うので、まずこちらのVTR。去年の6月1日に放送していただきました。
(ここから放送VTRの上映・鑑賞)

MC  「紛争地帯を撮影する戦場カメラマンではなく、漁師を撮影する船上カメラマンと呼ばれる女性がいます。漁師を愛し、その漁師から愛される日本で唯一とも言われる写真家に密着しました」

解説・神野さん 「ちょうど去年の今頃くらいから撮影を始めました。これは4月下旬くらいだと思います」

ナレーション  「午前3時、漁師たちが一斉に網を引く。海藻の中からナマコを探し出す作業を12時間、ひたすら繰り返す。そんな男たちにレンズを向ける女性、神野東子さん。漁業を専門としている異色のカメラマンだ。漁師に魅力を感じ、始めた仕事。その一瞬は見逃さない。これまでに200人を超える男たちを写してきた。そんな彼女を人はこう言う、船上カメラマン」

解説・神野さん 「これが初めて『船上カメラマン』と記事にしてもらいました。北海道新聞でした」

ナレーション  「神野さんの魅力は写真だけではない。プロの写真家として3年。まだ駆け出しだが、人柄で漁師たちのハートをがっちり掴んでいる」

解説・神野さん 「漁師さんを撮るようになって3年くらいです。漁師さんを撮る前は、観光雑誌などの景色とか食べ物などを撮っていました」

ナレーション  「この日の料理はカレイの煮付け、ニシンの"なめろう"。釧路生まれの神野さん、大学卒業後は新千歳空港でグランドスタッフとして働いていた。7年前、体調不良をきっかけに地元に帰ってきた。何気なく漁港を訪れたとき、男気あふれる漁師の姿を目にした」

神野さん  「かっこいいなと思って、勝手に応援させてもらっている立場なのですが、水産業って日本にとって大事な産業なんだ、というのを感じることが多いです」

ナレーション  「しかし、誰も知らない仕事には高い壁があった」

神野さん  「最初は雑誌でもない、新聞でもない、ただカメラを持った1人の人が港に行っているので、みんな何だろうという感じだったと思うし、港にひとりで行くのは勇気がいりましたね、かなり」

解説・神野さん  「女性が乗るのを嫌う方もいらっしゃるので、その辺に気をつけて。お祓いをしてもらうようにはしています」

ナレーション  「漁師から『漁業は神事』と教えられ、月に1度、神社でお祓いを受けている。命がけの船上で、いま神野さんが受け入れられるようになったのは、理由がある」

漁師さん  「良く乗って来るなぁ、と。みんな緊張しちゃうからね。手震えちゃうもので。良い写真を見せてもらったから、神野さんならいいよという感じになったと思う。俺らは嬉しいよね。仕事やっている時だから別に気にしていないから」

解説・神野さん「定置網の番屋の中です」

ナレーション  「この漁師は、愛する妻を連れて個展に訪れてくれた。水揚げ量、道内1位を誇る釧路でも漁師の仕事ぶりは市民にはあまり知られていない。神野さんが見つめる漁師の顔。目指すのは海に生きる男たちの生き様を映し出すことだ。この日は、道東の厚岸町でウニ漁の撮影。被写体はもうりてつやさん。日本一のウニ漁師を名乗る男だ」

神野さん 「今日、寒いですか」

漁師さん 「ああ、寒いかもしれない」

ナレーション  「波の高さは2mほど。潜水士と船を繋ぐのはロープ1本のみ。常に命の危険が伴う。去年、根室でウニ漁をしていた潜水士が酸素ボンベのトラブルで死亡した。漁業者の死亡率は警察官や消防士と比べて16倍高い」

漁師・もうりさん 「だめでないべか、これ。下に行ったら行くほど悪いから」

神野さん 「うーん、そっかぁ。ひょっとしたら、潜り(もぐり)さんだったのですか。じゃ、見たら・・・」

漁師・もうりさん 「全部、わかる」

ナレーション  「およそ5分後、綱夫(つなふ)(命綱を扱う人)が綱を引き始めた」

解説・神野さん 「これは本当にお互いが信頼しあっていないとできない仕事ですね」

ナレーション  「船上カメラマンは日本一のウニ漁師をどう切り取るのか」

解説・神野さん 「綱夫(つなふ)さんには、潜りさんは命を預けています」「潜りさんの装具が浮いてこないように、かなり重い装備になっているので綱が本当に命綱ですね」 

ナレーション  「道東の厚岸町でウニ漁の撮影にやって来た、写真家・神野東子さん。水が濁っているため潜水士の姿はまったく見えない。その一瞬を逃さないため、カメラを構え続ける」

漁師・もうりさん  「これは仕方がないわ、本当に。流れが悪いから」

神野さん  「おー、中はどうですか、それでも獲れるものですか」

漁師・もうりさん  「これくらい」

神野さん  「視界がそれぐらいしかなかったから、という感じですかね。さすがですね」

ナレーション  「エゾバフンウニを1篭分だけ獲って引き返す。漁を終えた男の "得も言われぬ表情"」

神野さん  「お疲れさまでした。ありがとうございました。すみません。すごいですね、ひとかきであんなに大量に」

漁師・もうりさん  「あのくらい獲んないば、間に合わないんだわ」

神野さん  「いや、すごいです。日本一のウニ漁師」

漁師・もうりさん  「自慢だけれども」(笑い)

漁師・もうりさん  「去年、写した写真を空港で見た」

神野さん  「ありがとうございます」

漁師・もうりさん  「空港の2階にずらーと貼ってあったのを見たのさ。おっかない、おっかない顔って」

解説・神野さん 「去年の5月19日です」

ナレーション  「先月、神野さんは札幌の富士フイルムフォトサロンにいた。道内の写真家にとって登竜門といわれる場所での個展だ。(VTRの音声が聞き取り困難)

ナレーション  「最近は東京の水族館からも声が掛かり、発表の場が増えてきたという。期間中、来場者は1,000人を超えた」

(VTR 取材の音声) 「われわれが日常いただいているお魚の苦労とか、映し出されている写真1枚1枚かなと」

神野さん   「漁師さんが身近ではない街だと思うのですが、お魚は皆さんが召し上がると思います。そういう場所で『誰がどんなふうに獲っているのか』を見ていただけるのは嬉しいことと思います。漁の写真を撮らせていただいて、港町でも、札幌や東京でも伝えていけたらな、と思います」

ナレーション  「漁師たちの生きざまに魅せられた写真家は今日も船の上でシャッターを切り続ける」
v MC   「船上カメラマン・神野さんの撮影した1枚、こちらにも用意しております。ちょうどこの港祭りの準備のために、漁船に大漁掲げられておりまして、こちらの方は昆布漁師のいいづかさん。3人目のお子さんが生まれたばかりということで、船に乗っての家族写真ということなのですね。神野さんは漁師の家族との姿も多く撮影されております」「はい、お借りした写真、ちょっと3枚ほど使わせてもらいましたけども、どれがいいですか? 選べないと思います」

ゲスト  「いやぁ〜。はい、そうですね」

MC   「いかがでしょう?」

ゲスト  「僕らもスキーの写真撮ってもらうこと多いですが。被写体として、カメラマンさんと滑り手の信頼関係がないと本当にいい写真にならないので、今日、こう見させてもらえると本当にいい関係ができているんだな、と思いましたね」

MC2  「私もアナウンサーという仕事をしていて、友達から"仕事で頑張っている姿を見てもらえるっていいよね"と言われたことがあって。(「テレビに出ているからね」) 他の仕事では見る機会がなくて。でも、そういう姿は絶対かっこいいですし、見たら、"仕事って全部つながっているんだな"と考えるきっかけにもなりますよね」

MC  「特に北海道は美味しいものが多いですし、魚介類は世界に誇るものですよね。食べることを知っていても、それをどうやって獲ってきているのだろうと、知らない人が多いので。私もそうなのですが。そこを知ってもらえるだけでも漁師さんも嬉しいと思っているでしょうし、消費者ともつながっている。いろんなところをつなげてくれる存在が神野さんなのかなと思います。本当に1枚の写真には、それぞれ人生とか思いが詰まっている。そういう中で、神野さんはまさに"自分の写真から漁師という仕事や漁業について知るきっかけになれば"というふうに話をされています。特集でした」

(ここまでVTR上映)

(ここから神野さんのお話) というように活動を続けております。写真展を見て「お魚を大事に食べようと思いました」と言っていただけるのがとっても嬉しいです。
そして、今日は歴史と伝統のあるロータリークラブの皆さんにより多く知っていただきたいと思いまして、スライドをご用意いたしました。VTRにもあったと思いますが、作品をとおしてより多くの人に知っていただきたいと思って活動を続けております。
これからご紹介する写真は何の漁でしょうか? けっこう人数が乗っていますね。網を広げて引いています。はい、「定置網漁」です。
釧路といえば、のお魚を獲っています。はい、「鮭」と「トキシラズ」です。こんな漁師さんたちが獲っています。
これからご紹介する写真を見ていただきたいと思います。魚探があります。昼間ですね。さっきよりも網が細かいのが分かるかと思います。はい、「ししゃも」。
これは船の上で選別作業を行っています。キュウリとか本当にそっくりな物もあるので、けっこう大変な作業です。これで、私なんか見ていると酔ってしまうので、なるべく外を見るようにしていました。漁師さんでも「波の強い時は酔う時もある」と言っていました。
これが「ししゃも」ですね、道東固有のお魚なので、こうして官民一体となって資源を保護しながら漁をするという、きちんと管理されて漁を行っています。この中には北海道職員の方、漁協職員の方、そして漁師さん、皆さんがいて、ししゃもが遡上する夜中に合わせて、この作業を行っています。−1度、−5度とか、それぐらいだと思います。そんな中で続きます。そして、孵化場に持っていってオスとメスに選別して水槽に流します。それをまた放流してという繰り返しになります。という貴重な釧路のお魚です。
先ほどご紹介いただきましたが、今年の2月に豊洲市場で写真を展示させていただきました。展示させていただいた場所が「銀鱗文庫」という銀鱗会という会が主催している場所でした。この会が昭和6年から始まった会で、志高き市場の青年層が結成したのが始まりだそうです。現在も、文化財団として多くの市場関係者が支えて、大切にされている会です。魚勉強会を行ったり、築地時代・日本橋時代の歴史を守って、それを伝えることを行っています。そんな皆さまの姿を2月に見させていただきました。プロ意識の高さや学び続ける姿勢に触れられて嬉しく、刺激を受けた1カ月でした。
それがこの入口です。まだ新しい豊洲市場です。これがちょうど4回目の展示でした。1回目は写真家さんで、ターレーに乗った築地の男たちを撮った写真集を出された方がされました。2回目は築地の看板などのイラストを描いている画家さんがされています。3番目は魚の文字を書いている方で、4番目に私がさせていただきました。仲卸さんも見てきてくださって「こんなふうに命がけで獲っているんだったら自分も大事に売らなきゃと思いました」と言っていただいてすごく嬉しかったです。 
話題が変わりまして、道東の昆布は、なかなか注目されないのですが、実は一番食べられている昆布なのです。例えば、コンビニで買ったおでんの昆布が「釧路産でした」ということが多々あるくらい。何気なく食べたお菓子の昆布、実は釧路産だったということが多々あるくらい食用に向く昆布なのです。「ナガコンブ(長昆布)」という種類です。
ここにもありますが、国内生産の90%を占めているのが北海道。その中でも食用に適しているナガコンブが採れるのが道東地区、この釧路地区です。そして、ここにもありますが、海藻が食文化として根付いているのが日本と韓国くらいなのです。日本人には海藻を消化する消化酵素があるのですが、他の国の方にはないらしいのです。なので、ダシはもちろんですが、食用としての昆布をぜひ注目してもらいたいなと思っております。釧路の昆布は美味しいので。
これがナガコンブです。最初のうちは柔らかくて美味しい、よく早獲り昆布として、刻み昆布として、サラダ昆布として召し上がる方も多いかもしれません。それが早いうちに獲れた昆布で、これが9月くらいになると「アツバコンブ(厚葉昆布)」になります。これは刻み昆布のような生の形ではなく、コンブ巻きなどで食べることになります。
これが本当に1本1本抜くのも大変な作業なのです。私は1本も抜けなかったのですが。それは毎日の海の波にも耐えなきゃいけないので、がっしり根が張っているので獲るのもコツがいるそうで、大変です。獲った昆布をこうして選葉(せんぱ)作業を1本1本して、1等昆布・2等昆布・3等昆布・4等昆布というふうに分けられています。
先月、和商市場で展示していたのが「巻き網漁」の写真でした。幣舞橋に夏から秋にかけて大きな船がいっぱい泊まっていると思います。それが巻き網漁です。この巻き網漁を撮った写真がもしかしたら全然無いかもしれなくて、東京の水産振興会の方に「巻き網の船に乗せてもらいました」と言うと、「巻き網に乗ったのですか」とビックリされました。
「マイワシ」です。北海道所属の巻き網の船がないのです。これ、居住空間になっているので広いスペースもあります。この船は長崎の船です。長崎の漁師さんが「地元・長崎のアジが一番好きだけど、二番目に好きなのは釧路のマイワシ」と教えてくれました。やっぱり脂が乗っていて美味しいそうです。こっちだと「サンマがなくてすみません」という雰囲気で出されることが多いのですが、ぜひ釧路のマイワシを自信持ってご紹介できるようになりたいなと思います。
そして、ここにもありますが、日本の面積は世界で62位なのです。61位と書いてある資料もありますが。EEZ(排他的経済水域)は世界第6位なのです。本当に世界が羨む海洋国家なのです。和食にお刺身だとか、お寿司が代表的なのも頷けるなという感じですが、魚種も多様に獲れます。そのありがたさを後世にも伝えていきたいなと思っております。
こういう写真を通じてお子さんをはじめ、いろんな方に「誰がどんなふうに獲っているのか」を知っていただいて、ひとりでも多くの方に興味をもっていただこうと。そして、中には漁師になりたいなと思ってもらえる方がいれば幸いですし、お魚大事に食べようと思ったとか言ってもらえると一番嬉しいなと思います。
という理由でこれからも活動を続けていきたいと思っております。
これも先ほどの定置網漁の写真です。今、まさに定置網の準備中で、また5月には美味しいトキシラズ、そして6月からは美味しい昆布が私たちも食べられるようになりますので、ぜひ季節によって地元の私たちが楽しんで、よそから来た方に自信をもって、こんな格好いい漁師さんが獲っているということも、ぜひ覚えていただいて、ご紹介をどんどんしていきたいなと思っております。以上です、ありがとうございました。
会長謝辞 脇 弘幸 会長
神野さんにおかれましては、年度初めの大変お忙しい中、お時間をとっていただきありがとうございました。 本日は、いろいろな写真を見せていただきましたが、我々もこの港町釧路にいてもなかなか海の上での作業の様子を目にすることはありません。大変貴重な写真を拝見させて頂き有り難うございました。 そして、この港町・釧路、そして道東の海を写真を通していろいろなところに発信していただければと思います。益々のご活躍をご祈念申し上げます。本日は誠にありがとうございました。


閉会・点鐘
その他の報告
ニコニコ献金
お名前(敬称略)内     容
阿部 勝義身分不相応ですが、釧路新聞の「番茶の味」を書かせて頂きました。あと二日間、宜しければ御読みいただければ幸いです。
萬 慎吾3年間お世話になりました。暑さと梅雨と満員電車に負けず頑張ります。
今年度累計 906,000円