釧路ロータリークラブ 国際ロータリー第2500地区 Rotary Club of Kushiro
通 算
3548
2018-2019年度
40回 例会報告
2019年05月23日
例 会 内 容
会員卓話/算数・数学検定の報告
会長の時間
会長挨拶 脇  弘幸 会長
 皆さん、改めましてこんにちは。お食事をされている方はそのままお続けください。
 先週、5月16日の例会後、18時30分から本年度2回目となるクラブ研修セミナーを開催させていただきました。お忙しい中、多数のメンバーにご出席いただきまして、改めてお礼を申し上げる次第でございます。今回のクラブ研修セミナーでございますが、次年度地区組織の中に「RLI導入準備委員会」が設置されたことを受けまして、クラブとしてもRLIについて勉強しておく必要があるだろうと考えまして、企画をさせていただきました。当日は小船井パストガバナーと葭本パストガバナーに講師を務めていただき、小船井パストガバナーからはRLIの基本的なところをお話していただきました。
 その後、葭本パストガバナーにディスカッションリーダーを務めていただきまして、実際に簡単なディスカッションを実践しました。
 今回のクラブ研修セミナーは、とても参考になりましたし良いセミナーになったのではないかなと思っているところでございます。ご協力いただきました小船井パストガバナー、そして担当していただきました西村クラブ研修リーダー、また準備や当日の司会進行を務めていただきました木下パスト会長、大変ありがとうございました。お礼を申し上げる次第でございます。
 その翌日の17日には、武修館インターアクトクラブ加盟登録式というのが行われました。その加盟登録式には青少年奉仕委員会の佐藤委員長と私で出席をさせていただきました。当日は、提唱クラブの会長としてご挨拶させていただきましたが、武修館の生徒さんは挨拶もしっかりしていますし、とても礼儀正しいものでした。体育館で加盟登録式が行われたのですが、生徒の皆さんはイスに座って整然と並んでいました。それが加盟登録式の間、下を向いている生徒もいないですし、体を動かすような生徒もひとりもいないという状況で、とても姿勢が良いのに感心しました。本当に素晴らしい式でございましたし、素晴らしい生徒さんたちと学校だなと感じた一日でございました。
 そのあと19日の日曜日には、邵直前会長のご協力をいただきまして「ぎゅう太」で野遊会を開催させていただきました。昨年の10月に十勝のワイン城での野遊会を企画していたところですが、雨で中止ということになりましたので、今回は天候に左右されない屋内での野遊会ということになりました。当日は、とても天気が良く屋外で開催したかったなと思ったところでございますが、荒井大委員長のとても楽しい進行で野遊会も盛り上がりまして、皆さんと共に楽しい時間を過ごすことができました。ご参加いただきました皆さまに感謝申し上げます。
 そして、本日の例会では「算数・数学検定補助事業」について報告をさせていただきます。先週が「ロータリー財団認証ポイントについて」ということでお話させていただき、その前には今年度実施した「会員意識調査アンケートの結果」について報告させていただきました。今年度、クラブ活動目標として掲げさせていただいたものについての報告も本日の例会で最後となります。
 本日の例会が終わると今年度の例会も、残すところ5回ということになります。いよいよ着陸態勢に入ったところでございますが、最後に滑走路でこけないように気を引き締めて、最後まで頑張っていきたいと思いますので、皆さんのご協力を改めてお願い申し上げまして会長挨拶とさせていただきます。
 本日はどうぞよろしくお願いいたします。
本日のプログラム
会員卓話/算数・数学検定の報告
奉仕プロジェクト委員会 大委員長 中島 徳政 会員
 今回は算数・数学検定ということで3年に亘る釧路ロータリーで取り組んでいる事業の報告をさせていただきたいと思います。半年くらい前に地区補助金セミナーがありました時に使ったパワーポイントを利用させていただく形で、算数検定をこんな感じでやったということをお伝えと思っております。
 地区補助金を利用した小中学校の算数・数学検定を釧路ロータリークラブが3年間続けております。奉仕プロジェクト委員会が中心になり、社会奉仕委員会に担当していただいております。この事業は2016-2017年度の釧路ロータリークラブ80周年記念の事業として出てまいりました。その1年前の情報集会でいろんな意見が出てまいりました。釧路ロータリーの皆さんは、やっぱりロータリーのことをちゃんと考えていらっしゃいまして、「釧路ロータリーの中で育てていく活動をしたらどうだろう」「新しい釧路クラブの形をしっかり作っていくべきではないか」という意見がありました。「いま行われている継続事業を再検討して新しいものや問題点の掘り起こしをしたらいいのではないか」ということがありました。他には「小学校・中学校を対象として、自分の仕事など出前講座をしたらどうだろう」「自分の職業についてやったらいいんじゃないか」など。
 当時は釧路の教育が新聞紙上を騒がせていたのですが、「教育レベルが低いことで学校の先生方に80周年記念として建白書みたいのを出してはどうか」という意見がございました。他に、子供の教育レベルが低いという観点から「子供たちに積極的な教育、学びの場を与えられないだろうか。具体的には、漢字検定、算数能力検定、英語検定もよく聞くが、理科の検定、珠算の検定、手話の検定などを後押ししたらどうだろう」ということでした。
 将来有望な人材育成を釧路で行うことが、優秀な人が釧路に残り街の活性化に繋がるのではないだろうか。ロータリーとしてそういう活動に当たろうではないかということです。
 話題になっていたのが、小学校・中学校の全国統一テストです。全国の小中学生の同学年の方が同じ問題を受けて、それぞれの都道府県のランキングとか、市内の学校の成績や順位が分かるようなことをやられて、「釧路の教育レベルが低い」と新聞にたくさん書かれました。その報告や新聞報道を見ても、世界とか全国でどれくらいなのか分かりづらい。保護者の方には判断できないということと、数学の苦手な子供たちが多いという現状がありました。その現状を受けて釧路ロータリーでは『算数検定』に着目をしております。
 1年目、80周年記念事業で算数技能検定の助成事業という形になりました。市内の3,000名の方、小中学生の25%の方々に受験してもらえる受験費をロータリーから負担しましょうということです。この下の事業目的のところは80周年の記念誌から引っ張ってきましたけど、「子供は地域の宝であり、資源のない日本は人材がすべてである。過剰な競争をするのではなく、やる気が出て自らの学力が高まるきっかけをつくり、地域の子供たちの可能性を少しでも広げる手伝いをしたい。釧路市の小中学校の数学の学力は全国平均を大幅に下回り苦手意識は非常に強いもので、それを払拭し学力の底上げをしたい」ということで80周年の事業とした。また、その事業を「1年では学力が上がる訳ではないので継続事業として取り組みができないか検討しましょう」となっておりました。
 これが、数学検定はどういうものかでございます。文部科学省が後援していて、いろいろな算数・作図から始まって、統計証明などを全国レベルでの絶対評価のテスト、ということです。受験者は年齢・学歴には一切関係なく、自分で好きな級を選んで受験することができます。一級が大学・一般程度。準一級が高校3年生程度。二級・準二級、それから三級から五級が中学生程度になります。ここまで数学検定ということで、一次試験で70%の正解で二次試験に進んで60%で合格という形になっています。
 6級から12級というのが算数検定で小学校程度です。1回の試験で、70%正解で合格になります。上の一級、準一級、二級になりますと大検、高校卒業程度の認定試験の数学が免除されます。いま大学の中でこれを持っていると入学試験を優遇したり、単位が認定されたりもあるそうでございます。
 この写真が、2016年8月27日に80周年の記念として行われた試験の様子です。左上に学校の先生が写っています。この頃はまだ学校の先生にお願いしたのですが、先生方も多忙ということで、役付きの先生や主任の先生などに当日、担当していただきました。
 各学校とも普段授業している教室で試験、緊張感のない所で実力が発揮できるということでやったのですが、「試験官が足りなかったらロータリーからも派遣します」という形で教育委員会にお願いし、1回目が行われました。2年目以降続けることになり、2年目からは地区費補助金をいただいてという形になります。この地区補助金というのは同じ事業で3年間続けて申請できる。だいたい、1年のところが多いのですが、釧路クラブからは50万円、地区補助金50万円をいただいて100万円で1,000人の方に受験してもらおうということで、その時の申請の収入予算、支出予算がこういう形になっております。
 初年度の予定受験者数は3,000名でしたが、実際は1,600名の受験に減少。しかし、小学校・中学校すべての学校からエントリーがあり、勉強に意欲がある子とか、それから受験を受けた子どもがどんどん上の級に挑戦したいという形で反響は大変大きかったです。
 当時の会長が「経済的な理由で今まで受験できなかったけれど、贈呈していただいて受験できました」という感謝の電話を数件いただいたそうです。
 2年目は1,000名に対して850名の受験がありました。人数が少なくなったということで教育委員会の方で、5〜6年の高学年の子供たちが優先的に受験できるように人を集めていただいたそうです。その中で特に2名の中学校3年生が準一級という高校3年生程度に合格する子が釧路に現れたということで、準一級程度だと早稲田大学の難易度が高い附属高校に入学が認められるきっかけになるということでございます。この写真は道新に載った2018年の記事ですが、東京の小学5年生の子が数検の一級で合格したそうです。アルゴリズムの基礎なんとか、私には全く分からないような内容で合格したようでございます。
 運営していく中で、試験官はやはり管理職の方にやっていただいたのですが、クラブのお手伝いに行ったりしている中で、PTA役員さんに手伝っていただける学校も出てくるようになりました。また、釧路市内の書店で受験用問題集の売り上げが数倍増加したとのことで、経済的効果もあったと思われます。この結果を教育委員会や算数・数学検定と分析して「今後も向上を目指して取り組んでいきましょう」ということになっております。
 その時に釧路市教育委員会からいただいた資料で分かりにくいのですが、27年度が最初新聞に載った、釧路市内では小学校1校だけしかやっていないのです。ここのマイナスというのは、釧路市から全国のレベルを引いてマイナスどれくらいか。ここが多いと釧路の算数の能力が低い形になります。
 28年度が1,222。これは小学校だけの人数なので先ほどの人数が少し違うのですが、この時は小学校全部が実施しているということで、分母が変わっていくので正確なものは分からないのですが。29年度は755。30年度が先週、木下さんからいただいたのですが、附属を除き786名の子供が受験をしております。一番の見どころが算数への意識ですが、苦手意識が確実に全国レベルに近付いていっている状況が見られます。それから、先ほども話しましたが「問題集が売れている」というのは教育委員会でも認識があるようでございます。
 今後、期待される効果ということでは、全国的には合格することで優先的に中学校や高校を受験できる所が600校、大学で700校もあります。学校の選択の幅が広がるということで、ホームページにもその学校が記載されているようです。私は頭が悪かったので自分の学力などで高校を選びました。今の子供たちには選べる学校を自分で好きな所に行けるような、選択できる子になってほしいと思っています。
 この写真は2018年11月です。この時になりますと管理職ではなく、私と松井君が試験官として行きました。こちらは当時のPTA会長さんがやっております。受付もPTAの役員だったり、試験官が私だったりで、この教室はびっしりでやっておりました。
 それから「学校評価」というのを小学校全部でやっているのです。どういうのかというと、保護者の皆さんとか地域の住民に「うちの学校はどうでしょうか」というアンケートで、うちのクラブでもやったクラブアンケートみたいなもので学校評価をしてもらって、それを分析して次年度の小学校経営に生かしていこうというものです。その付記のところに「算数検定をいただけて本当に良かった」と書いてくださった保護者の方もいらしたそうです。
 ここで、私の話は終わります。このあと、当日、私と松井君、前田会員、瀧波会員が試験官として小学校にお伺いしましたので、本日、出席の前田会員と松井委員長からひと言、その時の感想をいただき算数・数学検定の報告とさせていただきたいと思います。
 前田さん、お願いします。
前田 秀幸 会員
実は親睦委員会ではなく社会奉仕委員会の前田です。中島大委員長からご説明あったように、昨年11月16日桜が岡小学校に瀧波君と一緒に試験官として行ってまいりました。 試験官といっても、ただ見ているといいのだという感覚でした。ところが、途中で「すみません」と手が挙がったのです。「この問題の意味が分かりません」と。僕にしたら"言っている意味が分かりません"なのです。教えられなかったらどうしよう・・・。たまたま一級や二級ではなく、ちょっと低い級の僕でも分かる、説明できる問題でよかったなと、ホッとした胸をなで下ろしたのが非常に印象的でございました。 ただ、本当に30名くらいだったと思いますが、3〜4年から6年生くらいまでで非常におとなしく、皆さん良い子だなと思いながら、わが息子たちの小学生のころを考えると、違うな、手の焼いたガキどもだったなと思いながら、今の子は本当に良い子どもたちです。先ほど説明もありましたが、全国との差がどんどん縮まっているのは、そういった学習態度など見るとそういったことも垣間見えたのかなと。なかなか貴重な体験で、ロータリーに入っていたからこそ、釧路クラブにいたからこそ、体験できたことは非常に感謝いたします。 ということで私からの感想・ご説明を終わらせていただきます。ありがとうございます。
松井 聖治 会員
今年度委員長をさせていただいております松井です。僕も釧路小学校で試験官をさせていただきました。まずは、子どもたちが真剣に取り組んでいる姿に感動を覚えるほど、行って良かったなと思える事業でした。 先ほど前田会員からもありましたが僕も偉そうに試験官的な感じで、本当は何も知らないのですが、悟られないように少し偉そうな感じでいたら、手が挙がりました。「1と4分の1+何分の何」みたいな問題でしたが、「この1は何ですか」という質問でした。一応事前に学校から「試験内容に関しては答えるな」と言われていたので、「1については答えられない、ごめんね」と話をしました。でも真剣に試験を受けている子どもたちに本当に感動し、僕の汚い心も少しずつ綺麗になっていくかなというくらい感動した事業でした。 終了後に学校からお礼状をいただきました。一部だけ読ませていただきます。「この度は、釧路ロータリークラブの皆さまのご寄付による算数検定の実施にあたり、お忙しい中、運営面に協力いただき心より感謝申し上げます。子供たちも戸惑うことなく厳正に実施することができ、あとは合格発表を待つのみです」という文言で、最後の方に「これまでの3年間、本校事業に算数検定受験の機会を与えてくださいまして、重ねて感謝申し上げます。ありがとうございます」ということで学校の教頭先生からとても感謝していただきましたし、「ぜひ来年もやってください」と言われて帰ってきました。 継続して事業を行うことで、より大きな成果を生めたと思いました。学校関係者の皆さん、PTAの方々からも期待をされ、感謝をされている印象だったのかなと思っております。 地区の補助金を利用した事業です。事業としては3年連続やって、地区の補助金を使ったのは2年連続でございます。地区の補助金は1事業で3年間使えるらしいので、3年しか使えないですが、もう1年地区補助金が申請できるということですので、この素晴らしい事業を継続していくべきだろうというところで来年度も地区の補助金を申請させていただいております。地区の補助金が通れば算数検定をさせていただきたいなと考えておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。 以上で算数検定の事業報告とさせていただきます。どうもありがとうございました。
会員卓話「ザ・ハラスメント」

荒井 剛 会員
 残された10分お付合いください。今日は会員卓話の1人としてお話させていただきます。職業柄、弁護士でこれに関わる話もできるぞということをお見せしたいと思っております。
 タイトルは「ザ・ハラスメント」となっています。ハラスメントというのは、本当に最近はいろんなところで言われています。一番大きなところですと、セクハラ=セクシャルハラスメント。これは、もう誰でも聞いたことがあると思います。ところがセクシャルハラスメント以外にもパワハラ=パワーハラスメント、これは上司と部下の力関係で「こんなこともできないか」かみたいなことを部下にどんどん言い続けることでハラスメントを受けている。この二大ハラスメントの他にいろいろ言われています。モラルハラスメント、これは離婚問題でよく出てきます。「誰の金で飯を食っているんだ」と奥さんに言って、「暴言に長年耐えてきたけども耐えられない」と離婚の相談に来られ、現に離婚裁判を起こすという事件が本当に多くなっています。これはモラルハラスメントという言い方をしています。
 その他、アルコールハラスメント、これは読んで字の如くですが、飲めない人にお酒を強要するとか、「なんで飲めないのか」ということを言うハラスメント。昔はそんなことがハラスメントと言われる時代ではなかったのですが、最近はそれもアルコールハラスメントということで一つのハラスメントと定義付けされております。
 その他、最近多く言われているのがマタニティハラスメント。マタニティというのは妊婦さん、妊娠前に「妊娠されたら困るんだよ」と言うのもこれに含まれます。「妊婦さんだから動けないよね」と、いたわるのではなく、「この仕事はあなたできないよね」みたいな形で妊婦さんを悪く言ったりするのがマタニティハラスメント。その他、いろいろありますがアカデミーハラスメント。これは最近、新聞でも時々載っていますが、大学院で教授と学生の間で「こんな内容だったら単位あげないぞ、認めないぞ」と言うことで嫌がらせすることも言われています。もうひとつありました。スメルハラスメント、これはいろんな香水を付けたりとかを言われます。どぎつい香水を付けて歩き回って、その匂いでみんなが嫌がっているだけど、気にしないで香水を付けて振りまいている。そんな感じです。
 ここまではいいのですが、最近、ちょっとこれは過剰だなと思っているのがあります。略してエイハラ。何だか分かりますか。そうです、エイジハラスメント、年齢のことです。悪く言うわけではないかもしれませんが、「お歳なのだけど、できますね」あるいは「こんな若いのに何だろう」みたいなことで年齢を理由に文句を言うということです。
 次、簡単なクイズ的なものです。ヌーハラ、これはヌードじゃないですよ。ヌードルハラスメント。これはふざけているのではないかと思っています。ラーメンを食べる時に麺をすすることがハラスメントだと言われ、ヌーハラと言われています。挙げ句の果てにこんなことも言われています。ハラハラ、分かりますか。これは、ハラスメント・ハラスメント。「何かにつけてハラスメントということ自体がハラスメントだ」ということで「ハラハラ」と。
 ネットでハラスメントの種類と調べていきますと、実は40個くらい出てきます。これ以外にもブラッドハラスメント、「血液型によるとこうだよね」。普通の雑談だったら面白いのですが、それを嫌がらせのように言うことをブラッドハラスメントと言ったりします。
 いろんなことをハラスメントと言われることがあって、ちょっと困ったことがありますねと、紹介がてら話させていただきました。
 いろんなハラスメントがありますが、最初に申し上げましたとおり、この中でも一番大きいな問題は、セクハラとパワハラだと思います。そもそもセクハラとはどういう定義なのですか。簡単なのですよね。「相手方の意に反する性的な言動」ということが法律的にも言われています。簡単ではありますが内容が何なのかが、いろいろ問題になりまして、これは時代により大きく変わってきています。かなり変わってきている印象を持っております。
 少し、話が飛ぶのですが、何年か前の私はアメリカのテレビドラマが好きで、ジャック・バウワーで有名になった「24(トゥエンティーフォー)」というドラマがあったと思います。その何シーズン目か分かりませんが、上司が新任で来た女性社員に「頑張れよ」と肩をポンポンと叩いたシーンがありました。その直後に新人女性社員が同僚の女性職員に「今の、見ましたか、肩ポンポンというのはセクハラだよね」と言ったシーンがあったのです。それも3〜4年前だったのですが・・・。その時、私はそのシーンを見て、「何を言っているんだ、これがセクハラなのか」と思っていました。それから3〜4年経った今、同じようなシーンを見てどう思うかというと、ちょっと危ないかもしれないと思う自分がいる訳ですよ。この3〜4年間でも、自分の感覚が違ってきて社会も変わってきている。社会が変わってきているから個人の感覚も変わってきている。それに付いて行けないと同じようなことを言い、確実にやられてしまうという時代になっています。
 必要以上に警戒する必要はないのですが、ただ、ちょっとどういうことがセクハラとして問題になるのかなというのが、自分で確かめることができますので、今日配付させていただきました裏面にチェックリストのアドレスを載せております。これは人事院のホームページに載っていますが、ここでチェックすると面白いかもしれません。30項目くらいありますが、「これは問題になると思いますか」みたいなことをチェックしていくのです。
 例えば「お茶くみは女性がいいでしょうか、どうですか」という質問もそうですが、それで「はい」というともは問題になりますので、そのへんにも気をつけてください。
 国として「セクハラ問題について、事業者・会社としてこういう措置をしてください」と言われています。そういう措置をしないと、いざ裁判等で問題になった時に責任が重くなってしまう、あるいは軽くならないと言われています。どういった措置をすべきかを、細かい点は配付させていただきました資料にも載せております。「こういうセクハラはうちはやらないよ。セクハラだめだ」ということを従業員の皆さんに言うのは当たり前ですが、「もしそういう問題があったら、ちゃんと苦情として上げてね」ということを従業員に周知し、「苦情があったら誰が相談受けるのか」をあらかじめ確認しておく。そういう体制づくりが必要ですし、いざ苦情があった場合には速やかに対応するということが大事でございます。
 では、実際に苦情があった場合にどう対応すべきなのか?ということが問題になります。相談対応者を決めておけば、その方が対応すればいいのですが、決めてなかったとしても速やかに対応しないといけないのです。対応する時のポイントとしては、絶対に事情聴取をしないといけないですが、場合によっては相談をした人と相談の相手方になった人を必ず分離させる、分ける必要があるんだったら分けないといけない、隔離しないといけないです。つまり、事情聴取は必ず両方から聞くということです。片方だけだと全く意味がないので、両方から聞いてきちんとメモを作成しておく。当たり前のことなのですが、当たり前のことを当たり前にやっておかないといけないのです。
 その上で会社の方針として、まずどうするかということを決定し、それを速やかに当事者に伝える。内容が間違っているかどうかは置いといて、会社として事情聴取して判断して当事者に伝える。それをしないと後でいろいろ言われてしまうことになります。それもどういった点に注目して聞き取りしないといけないのかも、今日の配布資料の裏面にいろいろ書いていますので参考にしていただければと思います。
 あっという間に時間になりました。では、最後にセクハラの賠償金はこれまでどんなのものがあったのかになりますが、基本的にわいせつ行為に及んでいるかどうか。要するに身体を触ってしまっている。身体を触るというのは肩ではなく胸や股間など、刑事事件になりそうな場合には100万円以上になっている傾向があります。そうではない性的な表現、軽い身体的接触、軽くおしりを触るといった場合でも今は危ない。それでも50万円かなというのが感覚、さらに増額されてしまう傾向あります。そのことを理由に鬱病が発症したという時には、本当にうつ病が発症しているか問題がありますが、これが理由で鬱病が発症したと診断されてしまった場合には賠償金が多くなりますので、事情聴取の際にそれを受けてどうだったのか、身体的に健康的にどんな被害があったのか、本当にそれを受けたなら診断書を出してくれ、といったあたりが大事になるんじゃないかと思っております。
 最後にパワハラのことを紹介しようと思っていました。時間がないのでパワハラについて日本弁護士連合会が制作した2分47秒の動画があります。これは「パワハラ日弁連動画」と検索すればチェックできます。けっこう面白いです。パワハラなので従業員、管理職も実はパワハラに合っているよということがよく理解できる動画ですのでお時間があればぜひ、見ていただければと思います。
 時間になりましたのでこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。


閉会・点鐘
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今年度累計 970,000円