釧路ロータリークラブ 国際ロータリー第2500地区 Rotary Club of Kushiro
通 算
3535
2018-2019年度
27回 例会報告
2019年02月07日
例 会 内 容
裁判員制度について
会長の時間
会長挨拶 杉村 荘平 副会長
 ここで、歌でも1曲歌いたいと思うところでございますが、少々お時間をいただければと思います。皆さん、改めましてこんにちは。本日は、脇会長と浅川幹事の2名が出張ゆえ欠席でございまして、ちょっと緊張感ある感じのオーラが出ているかもしれませんがご容赦いただければと思います。
 今年度は大委員長さん・委員長さんを含めてメンバーの皆さまには本当にお世話になっておりまして、ありがとうございます。
 副会長を受けさせていただきまして良いことがあります。この席からクラブを見ていますと本当に眺めが良くて、改めて例会やアッセンブリーなどを見ていますと、釧路クラブは本当に素晴らしいクラブだな、良い雰囲気だな、ということを実感することができます。
 それに伴って自分の中でもまだまだなにも分かっていませんが「このクラブの良さを引き継いでいくためには、ロータリーをどう考えていけば良いのか」なんていうことを考える機会が増えました。そんなことを本日はお話ししたいと思っております。
 皆さんもそうかもしれませんが、僕が入会間もないころ、自分の中で「ロータリーとはなんぞや」というところがなかなか噛み砕くことができなくて少し悶々としていたようなところがありました。そんな入会2〜3年目位のときに、二次会か何かのときの酔っ払った席で当時の矢澤さんに「ロータリーっていうところは何をやるクラブなのですか。寄付だけしていれば良いのですか」みたいな大変失礼な議論を吹っかけたことがありました。
 そのとき、矢澤さんが「杉村な、そんな青筋立てて、大上段からロータリーでなにかを成し遂げようと考えなくていいんじゃないか。釧路ロータリークラブにはもう100人の素晴らしいメンバーがいて、それぞれ仕事や街づくりや業界について本当にがんばっている。そんなメンバーと例会でいろいろなことを語り合って、刺激をもらって、ときには、それを手伝ったり、ときにはそれを自分の仕事に持ち帰って活かしていく、そんな考えでダメかな」というようなことを言われました。「なるほど、そういう考え感覚で良いのだな」ということがすごくスッと落ちまして、それ以来、僕の金言になっている言葉でございます。そんな小僧のたわ言に真剣にきちんと向き合ってくれた矢澤さんも「本当に格好良いな」と思ったことがありました。
 そこで、昨年のPETSの第一分科会に、これは副会長の特権で出させていただきまして、矢澤さんが言われていたような教えが公式的にも間違いがないのだなとスッキリと確認することができました。
 そのときに、当時の成瀬ガバナーと細川ガバナーエレクトが口を揃えて「ロータリーの第一義は例会に出て、多くの仲間と語らって、自分の心を豊かにすること、磨くことなのだ。それが第一義だ。ただ奉仕や寄付というものは、そこから発露される第二義の行為なのだ」と口を揃えて強調されていました。「ああなるほど、やっぱり矢澤さんの教えは間違っていないな、その通りだな」と本当にスッキリと確認できたことがありました。
 そこで、不肖杉村、入会13年目で結論に達するわけでございます。「ロータリーの本質が例会に出てみんなと語り合って、心豊かにすることがロータリーの本質であれば、まさにこの釧路ロータリーこそがロータリーの本質の王道を行く、ど真ん中を行くクラブなのだろうな。この釧路クラブの素晴らしさ、良さというものはずっとなくしてはいけないだろう」と杉村は思ったということが本日のプチロータリー論の結論でございます。
 清水幸彦先生もいらっしゃいますし、間違っていましたらご指摘をいただければと思いますが、そんなことを考えながら副会長の席から例会を眺めていて、「良いクラブだな」と思っておる次第でございます。
 最後になりますが、ここからお知らせとお願いになりますが、釧路クラブがそういうど真ん中のクラブであり続けるためには、やはりある一定数以上の人数が必要だと思います。そこで、ずっと見渡して一番ヒマそうな杉村が、これから6月までの間に会員の増強・拡大について少しがんばってみたいなと思っております。いま15名ほどのリストアップをしているところでございますけれども、まだまだ情報が足りないところでございます。できるのであれば、次年度ガバナーを迎えるということも含めて、来年100名体制でまた望めればと思っておりますので、何か情報がありましたら杉村までいただければと思います。ありがとうございます。
 そういうことで、本日の例会を進めていきたいと思います。短い時間ですが、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
本日のプログラム
裁判員制度について
クラブ運営委員会 大委員長 荒井 剛 会員
 では、本日のプログラムへ移らせていただきたいと思います。テーマは『裁判員裁判』ということで、釧路地方裁判所の河本裁判官にお越しいただきました。裁判員裁判制度は、平成21年に始まってちょうど10年経ったということで、それを振り返るという企画を設けさせていただきました。
余談になりますが、釧路でも裁判員裁判事件がもちろん行われておりまして、平成21年に制度が始まった当初、釧路市内で起きた殺人事件を担当した弁護人の一人が私だったので、あれから10年経ったのだなと思っております。
 では、『裁判員裁判』についてご講演をいただきたいと思います。河本裁判官、どうぞよろしくお願いいたします。
釧路地方裁判所 裁判官 河本 薫 様
 ただいまご紹介に与りました釧路地方裁判所の裁判官の河本と申します。本日はこのように歴史のある釧路ロータリークラブの貴重なお時間をいただきありがとうございます。本日は『裁判員裁判』ということで、少しお話しをさせていただければと思っております。
 では、あちらの画面をご覧いただきながらご説明をしていきたいと思っております。まず、裁判員裁判を実際にご覧になった方となっていない方がいらっしゃるかもしれませんが、『裁判員制度』はご存じのとおり、職業裁判官のみならず刑事裁判に国民の方に参加していただいて裁判をやるという制度です。
 裁判員が何をやるかというと、このような法廷時に実際に裁判官と一緒に立ち会っていただき、法廷の中で被告人や証人の方の話や、例えば証拠の物、包丁や凶器などいろいろあるのですけれども実際に見聞きし、その後、別室で机を囲みながら裁判官と裁判員の間で評議、つまり、話し合いをし、最終的な結論、例えばこの被告人が本当に有罪か無罪か、そして有罪の場合にはどのような刑罰を科さなければならないか、これを裁判官と一緒になって一人一票、対等の立場で話し合って決めていくとなっております。
 裁判員制度とは10年前に施行されたのですけれども、もともとは当然、職業裁判官のみでやっておりました。しかしながら「刑事裁判に国民の感覚・視点というものがきちんと反映されたものなのか、きちんと確保しなければならないのではないか」ということで、実際にこの写真にあるように一番奥の真ん中の3人が裁判官で、その回りを囲む6人が裁判員の方となっているのですが、この方たちに実際に来ていただき、評議、つまり話し合いの中で、その裁判員の方々の素朴な、そして率直な意見を述べてもらい、国民の視点・常識を反映させていこうじゃないか。そして、それによって裁判を適正なものにし、国民の理解と司法への信頼を得ようじゃないか。このようになっているところであります。
 裁判員裁判というものは、いろいろな事件を対象としているのですが、先ほど申し上げたように、今年31年の5月にこの裁判員裁判施行が10年を迎えることになります。このグラフでは、30年9月までの全国の裁判員裁判の数なのですけれども、手元のデータでは、この10年間で約10,000件以上の裁判員裁判が実施されております。裁判員として参加された方としては80,000人以上となっております。単純計算でいうと1年に1,000件以上ということになりまして、全国50か所、地方裁判所の本庁があるものですから、単純計算でいうと1年で20件以上それぞれの所でやっている、と。多少大きい庁と小さい庁で差はありますが、ならすとそれくらいが行われております。
 ちなみに釧路地裁ではどうかというと、この10年間で約80件という数が裁判員裁判として実際に行われております。 
 私は昨年4月に釧路に赴任して参りましたが、実際に裁判員を担当した事件として3件、昨年やっておりまして、この3月にも実は裁判員裁判が1件ある予定であります。
 ここに書いてあるように、強盗致傷事件や未遂事件も含めて殺人事件や放火事件など重大な事件に裁判員裁判が限られておりますが、これは世の中、刑事裁判というものがいろいろたくさんあるものですけれども、例えば「万引きや暴行事件よりこういう重たい事件についてこそ国民の常識を反映させた方がよかろう」となっておりまして、こういう事件を担当することになっております。
 では、裁判員として参加をしたら実際になにをやるのかということは、やはり参加される方皆さんが不安に思われることと思っております。裁判員の役割としては、大きく分けてここに3つ書いてあるとおりです。
 実際にまずは写真にあったように、法廷の場で裁判官の隣で裁判、つまり法廷で証人の話を実際に聞いたり、疑問に思った点があれば証人に実際に質問をしたりなどそのようなこともできるようになっています。そのような法廷でのどのような証拠があるのかを見聞きしたうえで、それが終わったら評議、つまり話し合いで本当にこの人は犯罪をやったのか、やっていないのではないか。そして、やったのであればどのような刑罰、つまり懲役何年というものを決めていくということになり、最終的に決めた結論をそのまま言い渡すことが一番下の判決ということです。
 大きく分けて3つありますが、大事なことはやはり実際の裁判の法廷で見聞きしてもらい、それを元に裁判員と裁判官で評議、つまり話し合いの中で「私はこう思う」「常識的に見たらこうだよね」という素朴な意見を言ってもらい、話し合いをする。こういうことになっております。
 これを離れて、そもそも裁判員に選ばれるまでのプロセスもなかなか分かりにくいところではあると思います。これは一般的な流れを示しているのですけれども、1番左と左から2番目のところ。前の年の10月〜11月ころに、裁判所の方で機械的に毎年、選挙人名簿から実際の裁判員の候補者名簿を作るということになっております。毎年11月ころに実際にこの候補者に選ばれた方には「この名簿に載りましたよ」という通知が来るようになっております。
 候補者という名のとおり、この時点では実際に裁判員になるわけではなく、あくまで「将来事件が起こったときに裁判員になるかもしれない」という通知が来ることになります。
 そして、その次の真ん中のところです。「約7週間前」と書いてあることは、例えば、釧路で殺人事件が起こった、強盗致傷事件が起こった、という場合に、「じゃ、この事件について何月何日に裁判を実際にやりましょう」とその裁判の日時が決まったら、その裁判の日時の7週間前が、だいたい2か月弱前ぐらいに「あなたは、裁判員に選ばれるかもしれません」ということで実際の裁判を担当していただくかもしれない方をくじで選ばせていただきます。この通知が改めて選ばれた方に届くことになります。
 そのうえで、その右に「裁判直前、選任手続き」などと書いてあることは、後ほど申し上げますが、辞退することができたり、そもそも裁判員になれないという方もいらっしゃるので、そのような方を除いていく手続きをしたうえで、一番右、実際の事件の裁判の日の直前に本当にその事件を担当する裁判員の方6人、補充裁判員2人などを選んで裁判に実際に突入するという流れになっております。
 具体例で申し上げますと、どのくらいの数で選ばれるのかになります。先ほど申し上げた10月〜11月ぐらいの名簿に載るものは一番左、釧路の裁判所では、だいたい住んでいる方の400人に1人ぐらいが名簿に載ることになります。そのうえで、真ん中の「期日のお知らせ」、つまり先ほどの7週間前のところです。「今回実際に事件が起こりました。裁判員になるかもしれません」というお知らせ、この段階では900人に1人ぐらいが選ばれることになります。ただその中で、先ほどの辞退や裁判員になれない事由などを判断するうえで、最終的に裁判員6人、補充の方2人など、くじで選ばれるのは12,000人に1人ぐらいということになっております。
 ところで裁判員は辞退することができるようになっております。「裁判員裁判というのは国民の義務」という言い方をしておりますが、しかしながら、日常生活やお仕事の中で支障がある場合に無理をしてでも参加をしていただく、それはなかなかできないだろうというような前提であります。例えば、70歳以上の人や学校に通っている人など、そして、重い病気やケガがある人や介護や子育てがある人など、あるいは自らが処理しなければ事業に著しい損害が生じる恐れ。これは難しい言い方をされていますが、要するにお仕事が忙しいとか自分が抜けてしまうと代りがいなくて仕事に支障がある、回らなくなるという方はやっぱりいらっしゃいます。このような方に辞退を申し出ていただき、先ほど言ったようにくじで選ぶ前にそういう判断をしていき、実際に参加できる方をくじで選んで行く。と、このようになっているところであります。
 では、先ほども少し裁判員裁判で何をするのかという話を申し上げましたが、いろいろな文字が並んでいるので分かりにくいところもありますが、例えば、実際に釧路で殺人事件が起こったときにどうなるのか、というところであります。事件が起こったらすぐ「よし、裁判員に来てもらって裁判をしよう」となるわけではありません。まずは警察や検察、捜査関係者が捜査をしたうえで「起訴できる」と判断をした場合に裁判所に来るわけです。
 その起訴の後に実際の裁判所の手続きになりますが、これは実際に法廷で裁判をする前の準備手続きです。「公判前整理手続き」と書いてあるのですが、準備手続きとは何をするかというと、先ほど申し上げたように事件が起こって、いきなり起訴されたから「よし、裁判員に来てもらおう。よし、判断してね」と丸投げしたのでは、いきなり渡されて呼ばれて「判断しろ」と言われても無理な話です。公判前整理手続きというのは、裁判官や検察官・弁護人という法律関係者がこの事件のいろいろな証拠がある、膨大な捜査記録があったりする中で「本当にこの事件で争点となっていることは何なのだ」とまず争点の核心を話し合って、「じゃ、争点の核心以外については、そんなに時間をかけて法廷で判断をする必要はないね。核心部分、本当に判断をしなければならない部分、国民の常識というものを反映させなければならない部分、これをまずは整理しよう」ということを話し合います。そのうえで、その判断・核心部分に必要な証拠という先ほどの膨大なたくさん記録があります。しかし、「その中で、本当に見ないといけないものだけ法廷に持ち込んで、裁判員と裁判官が見て、その判断に必要な部分を絞って厳選していこうじゃないか」と、そういうことを整理手続き、 つまり準備段階で話し合うということがあります。
 そのうえで、実際の法廷などで何をするかというところで一番大事なことは、冒頭手続きの次の「証拠調べ手続き」や「弁論手続き」というところ。つまり法廷で実際に先ほど厳選した証拠を見て聞いたうえで次の評議・評決、つまり話し合いです。その裁判官と裁判員が円卓を囲みながら話し合い、そして結論を決めて最後に判決をする。このようになっているわけです。
 先ほども準備手続きでこのようなことをやると申し上げましたが、やはり実際に裁判員として来られる方、どなたも「自分には法律の知識がない」「裁判なんて見たこともないし、話し合いなども普段経験がない」という方で、不安に思っている方がほとんどです。
 実際には前の準備手続きの段階で、裁判官・検察官・弁護人において「なにが争点か」をもちろん話し合いますし、「その争点を判断するためにどういう裁判のやり方をすることが一番分かりやすいのか」ということも話し合うことになります。例えば、法律の専門用語などいろいろ法律の世界ではございます。しかし、それを今まで法律のバックグラウンドがない方にいきなり「正当防衛や責任能力」などと言っても、いきなり判断はできないと思います。だから「分かりやすいように噛み砕いたり、どういう証拠をどういう見せ方をすれば分かりやすく判断できるか」ということを話し合うようになっております。実際の法廷でも検察官・弁護人などは、専門用語などは分かりやすく噛み砕いて説明をする、自分たちなりに「ここを見てほしい。こういうところに着目してほしい」というところをパワーポイントなど使いながら分かりやすく説明をするなどやってくださいます。
 そして、裁判官は裁判官で、法廷で先ほど見ていただいたように実際に一緒に見聞きするのですが、裁判員の方が例えば「法律のことを分かりにくい」や「これはどういう意味なのでしょう」など疑問に思われた場合にはいつでも分かりやすく説明ができるようにしております。例えば、「こういう証拠を見て、少し不安に思う」「重大な責任があるのではないか、すごく不安に思う」など思っておられる方もいらっしゃいますが、そのようなときも裁判官ができる限り不安に思っている方がいらっしゃるかどうかを常に気を配るようにし、ご不安などはいろいろな説明をしたり、裁判所の方でメンタルサポート窓口などもあるのですけれどもそういうところを紹介したり、できる限りご不安・ご負担などを解消するよう務めるようにしております。
 裁判官との評議、つまり話し合いと言ってちょっと堅苦しいイメージがある方もいらっしゃると思いますが、実際にはこういう円卓の中で休憩などを頻繁に挟みながら和やかに話し合っていくような感じということ、実際私自身も昨年やっておりますが、そういう感じで進めているところであります。
 アンケートの結果をご紹介したいと思います。先ほど申し上げたように、裁判員裁判の実際の法廷の前に準備をすることによって「審議の内容が分かりやすかった」という方のアンケート結果はほとんどの数値になっております。そして、この実際の声ということでスクリーンに映しております。多少ちょっと文字が細かくなってしまって見えにくいと思いますが、読み上げます。
 上の方はお勤めの方です。「会社にも休暇制度がありますし、上司も理解してくれて『がんばって来い』と送り出してくれました」。30代の方ですね。下の方は主婦の方です。「私は仕事をしながら3歳の子供を育てていて、時間的にはとても大変なのですが『お母さんも難しいこの制度に参加したのよ』ということを子供に伝えられたら良いなと思って参加しました。裁判員に選ばれるということはなかなかできない貴重な経験なのでぜひ経験していただきたいと思います」。
 すごく好感触なことばかりを選んでいるのではないかというイメージもあるかもしれませんが、実際に私も裁判員裁判を経験する中で、裁判員の方と話し合っていく中で、裁判員に選ばれた直後というものと、実際に話し合いを経て判決に至ったときとのギャップと言いますか、感想というものはやはりだいぶ意識が違っているということを間近に感じさせられるところです。最初はやっぱり「不安だ」「自分にできるだろうか」というようにおっしゃる方が多いのですけれども、実際にやって見た後では「良い経験になった」という方、アンケートの中でも95%以上が「良い経験と感じた」というものをやってくださっています。事件については、「責任ある判断なのだけれども、自分ひとりの判断ではなく、みんなと話し合って違う意見の人もいれば似たような意見もあるけれども、それをお互いがいろいろな感覚をぶつけ合って『ああこういう感覚もあるのだ』『こういう見方もあるのだ』『同じ事実でも光の当て方でこういう見方があるのだ』ということを経験する非常に良い経験と感じた」と、そのように嬉しい言葉をおっしゃってくださる方も本当に多いと感じております。
 2週間位前ですか、NHKの『クローズアップ現代』で「裁判員裁判」が取り上げられたときに、実際に「裁判員を経験された後で、裁判や世の中で起こっている事件、場合によっては選挙、つまり政治関係、世の中で起こっている社会的なことについて興味関心が高まった」とか、場合によっては「裁判員の経験を経て、思うところがあって社会の公益活動などにも積極的に参加するようになった」という方もいらっしゃるようです。
 先ほども申し上げたように裁判への信頼、適正な裁判の実現という目的のために非常に重要な制度ですので、ぜひご理解いただけると非常に幸いと思っているところであります。
 最後に、今度は裁判員として参加をするための職場環境作りも非常に重要なことだと思っているところであります。やはり日本では当然のことですが、お勤めの方が非常にたくさんいらっしゃいます。文字が小さくて分かりにくいですけれども、真ん中の枠の左側のところで勤労者、働いているおられる方とは有権者の半分以上を占めると。裁判員裁判って先ほど申し上げたように選挙人名簿から裁判員を選ぶということですから、有権者の半分以上が裁判員の候補者に近いだろうということになりますが、国民の感覚というものを反映させていくためには、偏った層が参加してもらうというよりは、広く社会の構成分布と似た、類似していく裁判員分布になる方が望ましいだろうと思っているところであります。これまでの統計データでも実際に参加していただいている裁判員の職業分布などを拝見しますと、実際の有権者、国勢調査でいうと職業分布とほぼ対応した裁判員の方が参加してくださっているという実績があるとのデータもあるようです。実際に企業関係者の方にも裁判員裁判についてご理解いただいているのだろうと大変ありがたく思っているところであります。
 裁判員候補者として選ばれた際に、実際にお勤めの方がある日突然お手紙として「裁判員の候補者に選ばれました。ついては何月何日に裁判所に来てください」というお手紙が来たときに、やっぱり「お仕事もあるから」ということで不安に思われる方が非常に多くいらっしゃいます。そのうえでやはり職場として参加できるような環境ということがあると非常にありがたいと思っているところであります。
 それにあたっては、一番左下にあるように労働基準法には、裁判員は公の職務なのですけれども「公の職務に参加をするために休みを取ることは拒んではならない」というようになっております。お勤めの方自身が「休ませてください」ということはできるようになっているのですけれども、なかなか実情として「忙しいのに回りにも迷惑をかけてしまうのに休ませてくださいと言いにくい」ということが本音のようです。ちょっと右上と右下の文字のレイアウトがこのスクリーンだと見えにくいですけれども。次のところでちょっと説明をさせていただくのですけれども「裁判員に選ばれた方に休暇制度というものがあると非常にありがたい」と言っているところであります。
 次にいってしまいますが、これは一例でございますが、就業規則のモデルが作られております。内容は「裁判員に選ばれたら休暇を取れるようにし、第二項で休暇は無給とする。または有給とする。これはどちらでもある」というモデルがあるところです。
 裁判員裁判で参加をする際に、もちろんお勤めの方自身にとっては、有給休暇ということが非常にありがたいということがあるとは思いますが、そこは職場の実情などによっても変わると思いますので、有給か無給か、それはありうるというところではあります。裁判所の方でも、裁判員に実際に選ばれた方、そして参加していただき、旅費・日当が発生しますのでそのあたりは支給するようになっております。場合によっては、例えば「無給と有給の間をとって、裁判所から日当や旅費が支払われるので、その差額に限る」などそういうこともあるやに聞いております。
 このような職場環境作り、参加の不安が持ちにくいような職場環境作りがあると非常にありがたいと思っているところでありまして、今後ともぜひ裁判員裁判についてのご理解ご協力をお願いできればと思っております。
 本日は、貴重なお時間が限られておりますので、私からの説明はこれで終了させていただきたいと思っております。どうもありがとうございます。
副会長謝辞 杉村 荘平 副会長
 河本様、大変お忙しいところを本日は貴重なお時間をありがとうございました。多分お人柄もそうだと思いますが、非常に優しい感じのご丁寧な本当に分かりやすいご講演をいただきまして、非常に分かりやすく僕も理解できました。
 僕は、幸か不幸か参加の応募は来ていませんけれども、このメンバーの中にも行った方がいるのかもしれませんけれども、これからも裁判員制度の呼びかけがあった場合には、ぜひ意識を高く持ってロータリーメンバーとしてもぜひ参加をしたいと思っております。
 僕としても、なかなか裁判官と言われる方々と接する機会がなく、本日もどんな方がお見えになるのだろうと思っていましたが、非常に良い感じの方で、この方なら僕らの社会を任せられると、ぜひこれから社会のためにお仕事をがんばっていただければと思います。
本日はどうもありがとうございました


閉会・点鐘
その他の報告
ニコニコ献金
お名前(敬称略)内     容
池田 一己しばらく例会に出れませんでした。すみませんでした。
邵 龍珍1月28日から2月1日までの姉妹地区韓国3590地区との短期青少年交換事業が無事に終了しました。
今年度累計 848,000円