釧路ロータリークラブ

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 2015-2016釧路ロータリークラブ 第37回(通算3403回)例会 
 会長の時間 
  会長挨拶  西村 智久 会長
    皆さん、こんにちは。今年度も残り4月・5月・6月、3ヶ月。競馬で例えれば第4コーナー曲がって直線に向かっている段階になりました。おかげさまで無事に楽しく会長職を全うさせていただいています。

本日、講師を務めていただく佐野センター長。実は、富山でロータリーを経験したことがあるという話を先ほど伺いました。ぜひ、講演の中で少し触れていただいて、富山のロータリーについて話をしていただければと思います。

本日11時より、釧路ロータリー嵯峨記念育英会の理事会を開催させていただきました。田中直前会長のご厚意により30万弱の特別寄付をいただき、何とか単年度黒字をギリギリですが確保出来たことをご報告いたします。ただ、最近の急激な円高で、外貨建ての社債は63万円ほど評価損していますし、それ以来、また今日も109円ということで、この評価損がもっと広がるだろうという思いもあって、新しい奨学生を去年は5名でしたが、例年どおりの4名に戻すことに相成りました。そちらも合わせてご報告申し上げます。

 

この後、評議委員会を開催させていただきます。何人か評議員の方いらっしゃいますが、後ほど、文章でご案内申し上げます。今月26日(火曜日)6時半から評議委員会を醍醐で開きますのでスケジュールを入れておいてください。監査報告書と決算関係を書類で送った方がいいか、メールで送った方がいいか考えている最中です。事前に資料を渡しますので、ぜひ、ご参加いただけることを嵯峨の事務担当としてお願い申し上げ、本日の会長挨拶とさせていただきます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 
 本日のプログラム 

『持続的発展を目指した釧路の取り組み』 〜「くしろ応援ファンド」とは〜
講師 釧路公立大学 地域経済研究センター長 教授 佐野 修久 様

プログラム委員会 委員長 境出 雅仁 会員

 改めまして、こんにちは。プログラム委員の境出でございます。

本日は、釧路公立大学の地域経済研究センター長・教授である佐野修久様にお越しいただき、いわゆる地方創設の一環で取り組んでいる持続的発展を目指した釧路の取り組みという内容でお話いただきます。

略歴をご紹介します。出身は旭川です。1985年に北海道大学を卒業され、北海道東北開発公庫、現在の日本政策投資銀行に入行され、2009年に香川大学の教授として政策銀行から派遣されています。その後、2012年に退職され、釧路公立大の教授として現在に至っています。先ほど、会長から話がありましたが、2007〜2008年の時に富山支店にいらした時に、富山ロータリーに2年在籍していたということで、お話の中では各地のロータリーの違いを少し言っていただければ、ありがたいと思います。では、早速ですがよろしくお願いいたします。

釧路公立大学 地域経済研究センター長 佐野 修久 教授

 皆さん、こんにちは。公立大学地域経済研究センターの佐野と申します。いつもセンター等の業務について、大変、皆さま方にもお世話になっておりまして、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。

今、ご紹介ありましたように、こちらに来て早いもので5年目になりました。香川大学に3年いましたが、日本政策投資銀行の富山事務所長として富山にいた時、富山ロータリークラブに2年間所属させていただきました。久しぶりにロータリーの皆さんとお会いすると言いますか、そういう機会を大変嬉しく思っています。

その時は君が代を歌いませんでしたが、歌はいろんな歌を回しながら毎回歌っていたのを思い出しました。いろんな奉仕活動もさせていただきまして、ゴミ拾いもしました。富山の夏というのは意外と日本海側のフェーン現象で熱いので、打ち水大作戦というのがあり、駅前に行って皆で打ち水をする。それで温度を下げて涼しく感じてもらおうと。それくらいで涼しくなるのかなと思いつつ、そんなこともしたりしていました。

その当時のロータリークラブの仲間たちとは、未だにいろんな形でお付き合いさせていただいており、こちらに来る時があれば、夜お付き合いしたり、年賀状やフェイスブック中心になったりしますが、そんな形でお付き合いが続いています。こういう場で久しぶりにお話しする機会を私は大変嬉しく思っています。

今日は、見難いでしょうが、釧路応援ファンドというものを昨年度立ち上げました。これは一昨年度、釧路市役所と釧路信金と我々釧路公立大学地域経済研究センターの3者で「こういう仕組みを作れないか」という研究をして、それを実際に昨年度実施したものです。「聞いたことあるかも知れない」「新聞に載ったのを見たかも知れない」という方もいらっしゃるでしょうし、「知っている、知っている」という方もいらっしゃる、あるいは「うん?」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。少し、どんなものなのかをご紹介させていただきたいと思います。

私の考えでは、ロータリー精神と通じるところがあるのではないかと思っています。その釧路応援ファンドの説明をさせていただく前に、市民資金と書いて『市民ファイナンス』。私が作った造語ですが、最近いろんなところで始まっています。

これは何かというと、いろんな事業が地域で起きると思います。その事業内容について共感し、それに参加したい、協力したいという意識を持った人たちがお金を提供する。「志ある資金」と書きましたが、そういうことを「市民ファイナンス」と呼んでいます。

まさにロータリーアンの方々も何か事業があり、それに奉仕・ご支援する・協力する形で寄付等をしていると思います。私もいたときには沢山させていただきました。沢山と言っても限界はあります。「この事業は共感したな、これは応援しないといけないな」と思って懐からお金を出してあげる。それを市民ファイナンスと言います。まさに、ロータリーの活動に通じる部分があるのではと思います。

それに類するものとして、『市民ファンド』という言葉があります。市民ファンドは何かというと、この市民ファイナンスを提供いただく受け皿のことをファンド、市民ファンドという名前をつけて言っています。基金と考えてもいいのかもしれません。その事業を応援したいなと思う方々から志ある資金を提供いただくための受け皿のことを市民ファンドという言い方をよく使います。

最初、言葉の定義みたいで恐縮ですが、この話をする前にファンドの話を少しします。普通「ファンド」は、いわゆる資金運用のためのファンドではなく、地域ファンドと言った時にイメージされるのはどんなことかな。釧路の地場産品を振興するために、それを支援するのに地域ファンドを作ります。行政がそのファンドにお金を出します、金融機関も出します。あるいは個人も出すかもしれません。そして、釧路地場産品振興のための大きいファンドを作ります。そして、地場産品のための事業を、例えばA・B・C・Dがあると。どの事業に投資するか決めるのは、資金の出し手である我々ではなく、このファンド運営会社なのです。ファンドマネージャーという方々が「どの事業に投資するのか」「釧路市の地場産品振興を推進するためにはどのような事業がいいのか」「きちんとリターンが帰ってくるのはどれか」ということを考えた上で、地域ファンドの中にあるファンドマネージャーが決めて投資します。資金を出した我々は、どの事業に行くか分からないで出す形になるのが一般的な地域ファンドなのです。

先ほど、ご説明した市民ファイナンス、市民ファンドというのは、そこが違います。釧路市の地場産品を振興するための事業が、A事業、B事業、C事業、D事業とあります。

「俺はA事業に協力したいな」「いや、私はD事業が良いと思う」と、その人によって応援したいものは違うと思います。さっきの地域ファンドだと勝手に決められますが、我々は選べるのです。それぞれの人が、どこの事業に資金で応援するかが選べる。その事業ごとに、資金を受ける受け皿としてファンドというものを作る。これが市民ファンドというものです。お金を出す、寄付や投資する人たちが、お金の出し先を選べるということが一般的ファンドと違うものになっています。

先ほど言いかけていたのがこれです。最近、新聞でも出てくる言葉に「クラウドファンディング」という言葉があります。これは似たような話なのです。これは事業に共感した不特定多数の人たちから小口資金を、ネットを通じて集める。ネットを通じて集めるというのがクラウドファンディングになります。英語にすると「インターネットのクラウド、雲のクラウド」と思っている方が多いです。実はこれは間違いで、クラウドは英語で書くとこうなのです。群衆のクラウドなのです。「沢山の人たちからファンディング(資金調達)する、その時にネットを使う」というのがクラウドファンディングです。先ほど私が説明した、市民ファイナンスの中の一形態・一部分と意識していただいたら良いかなと思います。その事業に共感した沢山の人からお金を集める仕組みがクラウドファンディングだと、ネットを通じてだなと。そこだけ、新聞など見て出てきたら意識していただければと思います。

先ほど、見せた市民ファンドは、事業を選んで投資が出来る。その時に、インターネットを使って資金を集める仕組み、これをクラウドファンディングというのを覚えていただければと思います。

これが最近すごくいろんな全国各地で、いろんな事業がクラウドファンディングを使って、その共感する人たちから資金を集めるという形が広がっているのが現状になります。

我々、市民がお金を出すときのやり方というのはいくつもあって、大きく分けるとこの4つになります。ロータリーの皆さんがよくやる「寄付」というものです。その他に事業に共感してお金を「貸す」。あるいは事業の共感した事業者が発行する「債券を買う」、あるいは「出資」する。そんなやり方があります。

どう違うかは分かると思います。「リスクとリターン」と書いています。寄付は、ただ差し上げるので、それに対して「配当よこせ、利息よこせ」とは言えない。渡すのでリスクもクソもあったものじゃない、それが寄付です。貸付から出資にいくに従って、リスクは大きくなって、その反面、上手くいった時のリターンは大きくなるというものです。いろんなやり方あるということだけ、覚えていてください。1番行われているのは、ロータリークラブで行われている寄付というやり方です。その事業に共感して寄付をして、何とか実現しようとやり方ですが、それで一番釧路で思い出すのは、なんて言ったって「キリン」ですよね。チャイルズエンジェルさんが動物園にキリンを連れてこようということで、募金を集めたというのが2〜3年前にあったかと思います。

あれは、「我々がキリンを呼んできたい」と、思いのある人たちがチャイルズエンジェルさんの中にキリン募金を設けて、そこに寄付するというもの。5,400万円位集まったと聞いています。そのお金でキリンを購入して、輸送してきて市に寄付しました。キリンが入っているキリン舎の改修なども行って、釧路市に寄付をしたと。それでも残額があったので、残額の3,000万円は釧路市に寄付をして新たなキリンの購入などに充てるというやり方をとったので「ぜひ釧路にキリンを呼びたい」と思った我々が寄付をして、それが実現した。まさに、市民ファイナンスのやり方になると思います。

これは、クラウドファンディングではないのです。ネットを返すというよりも、一生懸命、街頭で募金活動したり、いろんな形で募金や振り込んでもらったりしながら対応したと思います。こういう寄付をした時に、ネットを介して寄付を募っていくやり方がクラウドファンディングというものになります。その代表例を見ていただきたいと思います。少し、見づらいかもしれません。

左側に「レディフォー」と書いてありますが、このレディフォーというのは、クラウドファンディングで寄付を仲介する会社なのです。「北海道のプロジェクト91件」と書いてあります。これ全国で行っています。北海道でこういう事業に寄付してもらえませんかという事業を彼らが仲介事業者の目で見て、これはいけそうだなというものを選んで、ネット上に色々なものが出てきます。そして、これを応援したいと思ったら、ネットを通じて寄付をしていくことが出来るというものです。

例えば、この真ん中。こちらの方は見づらいかと思います。「北見にコミュニティーカフェというものをオープンしたいので、皆さん寄付してくれませんか」と言います。これをネット上で押しますと、具体的な画面が出てきて「こんな事業です」というのがダーッと出てきます。その説明書きを読んで、この事業をやりたいという方の思いなどを見て、「それは応援しようじゃないか」と思ったらネットを介して寄付をして行くというものになります。

これでは1番上に49万1,000円と書いていますが、目標が下に書いてあって、86万円位の事業で49万円位は集まっています。6割くらい集まっているというのが表示されています。「寄付してくれた人に対しては、こんな特典を差し上げます」というのを右側に書いたりしています。このようにネットを通じてどんな事業か見せて、それに応援した人とネットを通じてお金のやりとりをする。そのようなやり方がクラウドファンディングです。

今、お見せしたように、市民の方々が仲介事業者を通じて寄付をして、場合によっては特典などをもらいます。ただ、画面で見せたり、ファンドを組成したりするのはお金が掛かるのです。手数料として、少し高いのですが、寄付した額の15%から20%位は手数料いただきます。我々が仮に10万円寄付したとすると、その内の1万5,000円から2万円はこの仲介業者に持って行かれてしまう。少し、しゃくにさわりますが、それだけ自分でやろうとすると、それだけ大変なことですので、そのような形でやっているのは寄付のクラウドファンディングということになります。今、言いましたように特典が返ってくるというケースが多くて、そのことを購入型と呼んでいることも多い形です。

次、最後の出資。一番リスクも大きいがリターンも大きいというのをみると、これは時間がないので、端折りますが、これは高知県の地場産品を振興するために市民の人たちにお金を出してもらって株主になってもらった、というやり方なのです。これはネットを介していません。ネットを返すクラウドファンディングの場合はどのように行うかと言うと、同じなのです。これは釧路応援ファンドでも作った「ミュージックセキュリティーズ」という出資型のクラウドファンディングの最大手の会社です。このサイトを開くと、いろんな事業が書いています。この一番右下を見ていただきます。数週間前に、弟子屈のマンゴーのお話を例会でお聞きになったと聞いています。このように全国のいろんな事業の中に出ており「この事業に投資したいな」と思ってポンッと押すと、マンゴーがどのように作られているか、温泉熱を活かして端境期でも作れるようにしたなど、経営者などの思いが書かれたサイトが出てきて、いいなぁと思ったら、ここで投資が出来るというやり方がクラウドファンディングです。もちろん、これは出資ですので、出資したものについては基本的に配当を付けてリターンをする、さらに特典も付けますよ、というのが原則になります。ただ、リスクもあるので、全て返ってくるかどうか分かりません。そこは、我々お金を出す人間が見極めたうえで対応しないといけないと思います。

さっきと同じですが、出資する場合もファンド仲介業者を通じて、お金を集める。ファンド組成していきますと、出資なのできちんと元本や配当を付けて返すというのが原則です。ただ、リスクはあります。さらに、特典をつけます。そういう形になっています。

ただ、あのファンドを、組成するにあたっては、仲介業者に対して一般論として80万〜200万円の手数料が掛かると言われています。高いですよね、200万円の資金調達をしようとして「200万円手数料かかる」と言ったら、「何やそれ」と言う感じだと思いますね。1,000万円でも「200万円と言ったら2割かかるのか」と。

まぁ、高いのです。ただ、沢山の人たちにお金を集めて、後で説明しますが、ファンもいっぱい出来て、広告費だと思えば安いかなと、そのような形かなと思っています。

釧路応援ファンドの話をしたいと思います。この投資型・出資型の寄付ではなく、出資型のクラウドファンディングを釧路市全体として応援し、支援して行こうじゃないかというのが釧路応援ファンドという形になると思います。目的は、事業者が資金調達をし易くしてあげようじゃないかと。融資や補助金などいろんな資金調たち手段があると思いますが、その多様化を図ろうじゃないかというのが、ひとつ目の目的です。もうひとつは、この事業、あるいはそこで出来た製品やサービスのファンになってもらおうじゃないかということに意義があります。自分でお金を出すのですから関心がないと駄目なのです。お金を出した後にすごく関心を持ちます。ファンになってくれる。そうすると「出来た商品を買ってくれるじゃないか」ということなのです。マーケティングの一商法として考えようということです。

ファンになると、自分が買うだけでなく周りの人たちにPRしてくれるじゃないか。「さっきのマンゴーは北海道だぜ。それを食べたら美味しいだ。あんたも買ってみたらいいよ」と紹介してくれます。さらに、ファンの人は「こうやったらもっと良いじゃないか」「もう少しパッケージをかっこ良くしたらいいじゃない」「出す時期を考えたらいい」といろんな面でのアドバイスをしてくれる。それによって、商品・サービスのブラッシュアップが図られるなどのメリットがあります。ただの資金調達だとすると、さっきの手数料はかなり高いですが、マーケティングの手法と考えれば、広告宣伝費と考えれば、150万円、200万円だったら、そんなに高くないかなと考えることも出来ます。

そんなことを実現しようじゃないかということで、釧路応援ファンドを作りました。さっきの仕組みで、どうやって市や地域が関わったのかと話をさせていただきます。釧路市が釧路応援ファンドを活用する事業者というのを募集して選びます。その時に、地域一帯として取り組もうと言うことで、協力機関として、金融機関・商工会議所・商工会あるいは中小企業家同友会。あるいは我々釧路公立大学、が協力機関となってこの事業を支援しようじゃないかと。どう支援するかというと、この釧路応援ファンドを活用する事業を見つけてくる。そして、この事業者がこの事業計画を作る。作るのは中々大変ですので、それを作成するのを皆でバックアップしてあげようじゃないかと。そのような仕組みを作りました。その結果、協力機関が釧路市に推薦して、そして第三者委員会で活用する事業者を選んでいく形を取っています。

釧路市は、このファンド仲介業者を公募で選んだ結果、さっきのミュージックセキュリティーズになりました。そこに対して委託をかけています。何をかけているかというと、協力機関は初めてやるのでどのように事業計画をサポートしたらいいかも分からないので、その理解をさせるように色々と講習をしてください。活用事業を募集するに当たって、募集の支援をしてください。それを委託しています。

これは募集の事業者を探したりするのはファンド仲介業者が自分の商売として普通は行います。自分の懐を痛めてやるのに市が委託してくれた。その分、お金が掛からないだろうと。ならば「さっきの80万〜200万円かかるという初期費用をまけろ」という話をして、何と10万円にしました。平均が150万円位らしいのです。「自己負担なし」というのは良くないと思うので、10万円にしましたが、残り140万円のうち100万円相当が市からの委託事業で賄っています。残りの40万円は「ファンド仲介事業者さん、あなたたちも少し泣いて下さい」と言って、自己負担にしました。10万円でこの制度を活用できるようにしたのが釧路応援ファンドの最大のメリットです。

「3つの全国初」がありますが、市・釧路信金・公立大学、官・金・学が協同研究して、ファンドの仕組みを作ったということ。そして、産・学・金・官が地域一帯となって・このファンドの組成を支援しようということで、連携協定を結びました。商工会議所さん、阿寒・音別の商工会、そして同友会、我々センター、釧路市、工業技術センター、釧路信金さん、これが連携協定を結んで地域一帯となってバックアップしていこうという形をとっています。

そして、今、言いました初期費用・ファンド組成費用の軽減措置を市町村で単独でやったというのは全国初になります。県レベルではあったのですが。

そのメリットは今、言いましたようにファンド組成費用というのが10万円で済みます。あと関係機関が色々事業の掘り起こしをしてもらったり、相談に乗ってくれます。事業計画を作るにあたってサポートします。全部、自分でやらないといけないのが、そういうことをしてくれますよということです。あと、事業や出来た商品やサービスをこれが市などの関係機関・仲介業者がPRします。これが応援ファンドを活用するメリットになると思います。

どんな事業を対象にしたかというと、釧路の地域性あるもの。釧路に事業所があって、釧路の地域資源を活用したものです。あと、たくさんの人に共感してお金を出してもらわないといけないので、市民の人たちに共感してもらえないと駄目です。あとは、関係性ということで、お金を出してくれた人たち市民と事業者がこれから関係を築いていくような事業じゃないと駄目です。もちろん、出資なのできちんと配当や元本の返済が可能な収益力がある事業でないと駄目です。という、地域性・共感性・関係性・事業性という4つの軸を設けて、これに叶う事業を応援していこうじゃないかという取り組みをしました。

昨年度は、市が予算阻止したのは300万です。さっき1件あたり100万相当を市から出すと言いました。それは委託です。なので、3件なのです。フランダースさん。中標津本社で釧路でもお菓子屋さんやっていますが、そこがスイーツを作るというものでお金を集めたのが350万円かな。2つ目が、ミルキークラウンさん。ソフトクリームを移動販売しながら売っている会社があります。そこが新しくスイーツを作るということで、それが800万円くらい。あとは、菅野水産。タラコで有名な菅野水産さんはファンド組成準備中ですが、これも数百万円です。3つ選びました。

一番左のフランダースさんのお菓子のファンドは、350万ですが、何と丸一日で売り切れました。これビックリですね。私も、全国を見ていますので、数ヶ月かかるのはザラなので、数ヶ月はかかるから、もう少し様子見てから私も投資しようと思っていたら、丸一日で売り切れてしまい、「あれー」という感じです。次のミルキークラウンさん。これも1週間かからずに売り切れました。800万ですよ。菅野水産のタラコは、まだこれからですが、そのような状況でした。

どのようになっているかというと、さっきのミュージックセキュリティーズのページを開くと、『釧路応援ファンド』というサイトが中にありまして、そこをポンッと押すと「釧路応援ファンドでこんな事業で資金を集めています」と出ます。左側がミルキークラウンさん、右側がフランダースさんのファンドです。そこをポツンと押すと、どんなファンドなのかという紹介が出てきます。

これがフランダースさんのファンドで、これはすごいですよ。そこに木みたいのが見えるじゃないですか、これはチーズケーキなのです。これをやることによって、デザイン会社と連携することが出来ました。これは、箱を開けるとチーズケーキです。木みたいのがツマヨウジ代わり、これをヒュッと持ち上げるとチーズケーキが付いている。ひとつ見て、こんなのです。おしゃれで、女の子に持って行ったら喜びそうじゃないですか。これをやることによってデザイン会社とつながって、このようなケーキが出ました。これはロールケーキですが、普通のロールケーキと違って、雪だるま型のロールケーキなのです。これも新しいデザインとして開発された。こんな形で出たものですから「うわー、これおしゃれで面白いね」と言って、丸一日で売れてしまった。300万がという世界です。

あと、ミルキークラウンさんのファンドも、「世界的に珍しいブラウン・スイス牛を育てて、そこからとれる牛乳でお菓子を作ります」と売ったら、800万円があっという間に売れてしまった。

こんな形で、釧路の事業を釧路市民はもとより、全国各地の人たちから応援してもらおうと、1口、2〜3万円位です。そのような仕組みのものが出来てきているということです。ちなみに、ファンド仲介業者では、メーリングリストで、メルマガでいろんな情報が投資したことある人たちにどんどん発信がされます。そういうものでも知るきっかけになるのかなと思います。

時間ですので最後になりますが、これから釧路応援ファンドをどうしようかなということです。1店はこれから集めることになりますが、昨年度事業のフォローアップをして、お金は集まりましたが、その事業自体の宣伝、出来た製品の宣伝PRを市と地域が一帯となって行っていきたいと思っています。それと同時に、昨年度の反省を踏まえて、もう少し事業内容の改善を図りたいと思っています。予算阻止されましたが、昨年度は3件だったのが、今年度は市が予算措置をして5件になりました。ぜひ、皆さん方でも、「こういうの集まらないか」と、自分の事業でも良いですし、知り合いの事業でもいいので、これだったら共感を得ていろんな人たちがお金を出してくれるのではないか、とあったら、ぜひ、応募していただけたらと思います。

サポート機関、これは先ほど、経済界や市・公共技術センター・金融機関と言いましたが、金融機関は最初に作ったのが、釧路信金さんが入っていたので、釧路信金さんだけだったのですが、今年度はまだ北洋さんにお話はしていませんが、ここにある銀行さん皆に合意をしていただけるのであれば、皆に入っていただきたいなと。北洋さんや道銀さんも大地みらい信金さん、釧路信金さんもサポート機関に入っていただき、まさに釧路一帯となって、この事業を応援し、この事業を応援するということは釧路発の事業を応援するということなので、そういう形で取り組んでいきたいという希望を持っています。

この釧路応援ファンドを知らない方たちが多いので、広くPRしていき、これを活用したいなと思っていただく事業者、そして投資をしてくれる人たちの掘り起こしを進めていきたいと思っています。

ぜひ、皆さん方で自分でやっている事業、知り合いがやっている事業でこの事業に趣旨に叶うのではないかなという時には、これから募集が始まりますので、ぜひアンテナを張っていただきたいと思います。そうじゃなくても、この事業共感できるな、良いなと思うものがあれば、ぜひ投資してもらうことも考えていただきたいと思います。まさにそれが地域のためになりますので、まさにロータリーの趣旨にも通ずることがあると思います。ぜひ、引き続きご協力いただけたらと思います。

端折りになってしまい、恐縮ですが、以上でお話を終了させていただきます。ご静聴ありがとうございました。

 

会長謝辞

 佐野教授、本当にありがとうございました。私どもの業界で10年くらい前に釧路元気ファンドをやっておりました。ただの給付型ですが個人でいろんなこと考えている人は、釧路・根室地方にたくさんいるんだなと感じたのが最大の僕の印象であり、やりたい人はたくさんいますので、ぜひ、この釧路応援ファンドのPRをもう少し、その方々のアンテナに引っかかるようにPRしていただければ、まだまだいろんな人が釧路管内にはいるということは間違いないので、ぜひこれから頑張っていただきたいと思います。本当に今日はありがとうございました。

点鐘

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下川部 善彦 会員  多くのロータリアンよりエネルギーを頂き、「古希」を迎えることが出来ました。感謝感謝です。
 リハビリにはゴルフが一番と主治医に言われております。お付き合いの程よろしくお願いします。
舟木 博 会員  おかげ様で無事ブータンのティンプーRCに訪問してきました。
荒井 剛 会員    無事にタイ・ブータン視察から帰ってきました。
石子 雅康 会員   ドコモ釧路支店が、「ドコモ光」の獲得実績で全国58支店の中で第1位になりました。
 これも地域の皆様のおかげです。ありがとうございました。
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