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2014-2015釧路ロータリークラブ 第13回(通算3331回)例会


会長の時間

会長挨拶 田中 正巳 会長
改めまして、こんにちは。会長の挨拶をさせていただきます。9月19日から第17回アジア競技大会が仁川で開催されています。19日の夜に開会式が行われ、16日間の熱戦が繰り広げられています。日本の三宅、川中選手が先導役を務めました。女子選手が先導役を務めたのは五輪・アジア大会を通じて初めてのことだそうです。日本にとっては2年後のリオデジャネイロの五輪、6年後の東京五輪に向けた試金石となる大会で、712人の選手が参加しています。私はテレビの前で応援をしていました。沢山の感動をいただきました。残すところあと2日間あまりなので、しっかり応援していきたいと思います。いずれにしても、日本選手の皆さまには最後までご活躍をいただきたいと思います。
 私の最近の出来事を少しお話しします。9月20日に仕事が終わって家に帰る途中に、振興局の前に大勢の人だかりと、明かりがこうこうと付いていました。私の家の前でしたので、事故か事件か何かがあったのかと心配でした。
 良く聞いてみると、釧路出身の直木賞作家・桜木紫乃さんの小説を原作にした同名の映画『起終点駅(ターミナル)』の撮影が行われていました。主演は佐藤浩市さん、本田翼さん、尾野真千子さんが共演されています。公開は来年の秋の予定だそうです。
 私の家の前で撮影されたこともあり、釧路のどのような場所が撮影されるのか、今から公開が楽しみです。また、釧路活性化に繋がればと思います。これで会長の挨拶といたします。ありがとうございます。




本日のプログラム 
シカ肉の活用について

プログラム委員会 青田 敏治会員
皆さん、こんにちは。ようやく鶴居の山から下りて来られました。これから講師の略歴の紹介をしたいと思います。その前に、今日の食事にシカ肉出ていましたよね。曽我部さんの所のシカ肉を食べましたが、脂身のないヘルシーな食べ物だと思いました。今日、シカ肉がなかったらどうしようかと思いましたが、何とか顔が立ってホッとしています。
 それでは、説明させていただきます。お名前は、曽我部元親さん。役職は、北泉開発株式会社の常務取締役です。主な活動は、シカ肉関係、エゾシカの関係ですが、平成7年頃から地産地消に基づいたスローフード運動に着目して、15年に地元シェフの提案で考案した『エゾシカバーガー』を釧路市で開催された第2回スローフードフェスタに出品して、好評を博しています。この後、この活動が、エゾシカの被害対策に頭を悩ませていた北海道から注目されて、シカ肉の有効活用を託されるようになります。16年に、旧阿寒町、猟友会、森林財団、建設協会、旅館組合、商工会などのメンバーで、阿寒エゾシカ研究会を設立し、会長に就任しています。現在、エゾシカ協会理事、エゾシカ食肉事業協同組合代表理事など務めています。あとは言わなくてもいいと言われたのですが、少し経歴を話したいと思います。釧路市の市議会委員を2期務めています。阿寒地域資源活用委員会の委員長も経験しています。東京農業大学生物産業学部外部講師も勤めていました。代表として色々なことをやっていますが、『エゾシカフォーラムin釧路』を行っています。また、『釧路エゾシカ祭り』も行っています。これは「本当に、言わなくても」と言ったのがテレビ出演の話でして、「D!アンビシャス」という札幌テレビに出ています。「食べ物一直線」、「昼ぶら」というNHKの全国版にも出演しています。見たこともある人もいたかも知れませんが、幅広く活躍されている方でございます。では、紹介します。どうぞ。


北泉開発株式会社 常務取締役 曽我部元親様
皆さん、こんにちは。ただ今、大変恐縮するような紹介をしていただきました。今日は日ごろからお世話になっている方々、また親戚やお取引業者様など、あまり緊張はしない方ですが、今日は引き受けてどうなのかと後悔をしているところです。せっかく美味しい料理も出していただいたのですが、あまり食べることも出来ませんでした。ただ、呼ばれた以上は、今までのこと、今行っていることについてしっかりお話ししたいと思います。ただ、時間厳守で30分しかないので、少しお話しをしたいと思います。
 まず、シカ肉を食べていただきましたが、どうでしたか。この前、東京のトップシェフの方とお話ししたのですが、「シカ肉は、焼くのが難しいよね」とお話しをしていました。というのは、食べて分かると思うのですが、他の肉と違って少し繊維が荒いのです。ですから「油の通し方によっては、中までジュッと入ってしまい、固く感じたりして非常に難しい。うちのレストランでは、勤務10年位のシェフにはステーキは焼かせない」と言っていましたので、おそらく皆さんが自宅で焼いてみて「固かった」ということがあったら、シカ肉の良し悪しもありますが、もしかしたら焼き方なのかなと思います。
 皆さん、シカについて知っているようで知らないと思います。ロータリーの方々にこの質問は恥ずかしいのですが、シカは牛と馬どっちの仲間? どっちに近いのでしょうか。皆さんにお聞きしたいのです。馬だという方は。牛だと思う方は。
 牛の方が若干少ないですかね。正解は馬です。結構な確率で馬という方が多いのです。僕のイメージでは、「馬」と「鹿」の漢字の組み合わせ等から来ているのかなと思います。
実は、動物であって、ほ乳類、偶蹄目、までが牛と一緒なのです。偶蹄目・奇蹄目というのは、爪が割れているか、割れていないか、ということです。シカと牛は同じ偶蹄目なので割れています。
 口蹄疫が流行ったときに、「シカに伝染したらどうするのだ。北海道の酪農が全滅するのではないか」という話もありましたが、同じ種類だからということです。ただ、口蹄疫に関しては、野生の生き物ですので、数十倍もシカの方が強いと言われていますので「牛からシカに伝染というのは考えられない」と言っていました。
 『シカ科』というのがありまして、『ニホンジカ種』と言われます。高校生に「奈良に行ったけど、奈良にいたシカとエゾシカって違うのですか?」とよく質問されます。ニホンジカ種という点からいうと同じです。ただ、亜種でいうとエゾシカ亜種となるので、違うということです。
 これが、分類です。少し見難いかも知れませんが。日本には6〜7種類のエゾシカの種類があります。例えば北海道でいえば、エゾシカ。奈良にいるのは、本州鹿と言われるシカ。四国・九州にも最近はシカが増えています。これは、九州鹿といわれるシカです。馬毛島にいる馬毛鹿、屋久島にも屋久鹿というのがいます。慶良間鹿というのもいます。
 海外に8種類いるのですが、こうやってシカを並べてみますと、一番の違いは何だといったら体の大きさです。エゾシカが一番大きいです。南に行くと段々小さくなる。逆の言い方をすると、同一のほ乳類の場合、亜種では北に行くほど体が大きくなるという『ベルマンの法則』があるのですが、それで言うとエゾシカが日本最大です。先ほど清水会長がトナカイの話をしましたが、あれも同じシカ科なので、北にいるのは大きいですよね。ヘラジカは800kg位になりますので、馬よりも大きいシカがいます。そういう意味で言うと、日本ではこういう形になっていて、エゾシカが一番大きいことになります。
被害だけは言わないといけないのですが、いつもこのスライド使うのですが、阿寒湖です。雄阿寒岳から雌阿寒岳を見た方角で、ここ、少し削れているのがスキー場です。今は、マリモの世界遺産に向けて頑張っているのですが、この阿寒湖の大半を前田一歩園財団が管理する山です。皆さまも時々阿寒湖に行っていると思いますが、阿寒湖の温泉街以外は皆さんが立ち入ることできませんよね。それだけ多くの自然が残っているのです。ですから、釧路や阿寒にとっても誇れる財産なのです。ただ問題は、その中にある自然がエゾシカによって大変なことになっていることです。
 これは、一歩園財団の山本さんという120kg位の体の大きな方ですが、その方と並んでも、この木がこのようになってしまっています。「これは大変だ」ということで、平成4年から5年間かけて、前田一歩園財団が自分の阿寒湖周辺の森林を全部調査しました。その結果、このように96,000本、4万立方メートルがあのような状態になっていると分かったのです。
 「これでは、この山は大変になる」ということで一歩園さんが対策を始めたのです。対策の話を後でしますが、今どんな風になっているかというと、どんどんエゾシカが増えているのです。最近では、北海道が真っ黒です。いない所がないくらい、エゾシカはいます。1925年頃ですが、本当に日高と大雪と阿寒ぐらいにしかいなかったのです。皆さんが子供の頃は、僕もそうですが、シカは見なかったですよね。徐々に農地が広がった、温暖化、等いろんな理由で増えていって、今は大変なことになっているのです。
 これが深刻な森林被害です。農業被害も大変ですが、僕が「森林被害が大変だ」言うのは、「北海道の年間の被害額が60億円」と言われますが、その大半が農業被害です。林業被害はというと数千万円なのです。こんなに木がやられていて、なぜ数千万円なのかと言うと、森林被害のカウントの方法がおかしいのです。
 皆さんから見て左の方、これは植林したカラ松です。これが食べられて盆栽状になっていて、右側が天然林です。この状態では、両方とも被害にはカウントされません。では、どういう時にカウントするのかといったら、「植林したカラ松が盆栽状になったので、新しく植えなければなりません」となった、その木の値段が被害額です。改めて植え替えした時だけが被害額という言い方をして、こういった被害というのは被害になっていないのです。少なくとも、金額では反映されていないということです。
 これが、列車事故や自動車事故で、かなり多いですね。その被害対策のために張ってある網、『侵入柵』といわれる柵です。これは道東だけで、3,000km以上。既存の万里の長城が6,000km以上なので、北海道全体でいうと万里の長城よりも長い網を作っているということです。ただ、全部に張っている訳ではないです。よく見ると、財政指数に関係あります。十勝は、沢山張っていて、釧路はそんなに張っていない。「自治体の財政力が関係しているのではないか」と言われています。ただ、これも穴が空いたりすると、補修するお金がないということで、被害対策ではありますがあまり効果はないのかなと思っています。
 よく子供たちが「バンビにしか斑点がない」と勘違いするのですが、あれは夏毛です。大人でもバンビ模様の鹿の子模様が夏にはあるのです。冬にはグレーの色になります。あと角ですが、毎年生え替わります。子供たちは「1年、1年、伸びていくの」と聞きますが、毎年生え替わって新しいのが生えてきます。それだけパワーがあるということで、中国では漢方として非常に価値があると言われています。
 エゾシカの歴史ですが、エゾシカは、江戸時代には沢山いました。松浦武四郎という冒険家・探検家の本には、はっきりと「山がうねるようだった。それが全てエゾシカだった」と記述されていますので、江戸時代にはかなりいた。明治の頃はどうだったのかというと、これだけ獲っていました。捕獲数、明治はこれだけ獲ってどうしていたのかというと、肉を缶詰にしてアメリカに、皮はフランスに、角は中国・当時の晋に輸出していました。
 なぜこのように開拓政府は行っていたかというと、入植をして、木を抜根して、田畑を作るまでは、かなりタイムラグがあります。その間、手っ取り早かったのは、エゾシカを捕まえて輸出して外貨を稼ぐという方法だったのです。開拓政府が奨励して、今でいう北広島か千歳に大規模な官営の缶詰工場がありました。それだけ明治政府としては、貴重な外貨を稼ぐための財源だった。当時は一生懸命に獲りました。獲り過ぎたのと、明治のころ記録的な大雪が降って、これは昔の函館新聞にも書いていますが、これが重なってエゾシカは一時絶滅寸前まで行きます。以来、60年間『禁猟』という策がとられます。この間に何が起きたかというと、家畜が入って来たのです。家畜が入って来て、皆さまのご家庭は、肉といえば家畜になった。そして、エゾシカのようなものがいなくなったと言われています。中には、「オオカミによる絶滅だ」と言う人もいますが、オオカミだってそんなに沢山食べないと思うので、多分、人間のせいだと思っています。
 前田一歩園さんの取り組みですが、先ほど見た被害が湖の周りで起きていますから、「これは何とかしないといけない」と対策を始めました。初めに行ったのは、ネット巻というものです。木にプラスチック製かゴム製のネットを巻き、物理的に食べられないようにしました。これは効果があるので、今でも行っています。ただ、問題は何百万本もある木に全部ネット巻が出来るかというと全部出来ないので、これは毎年、数百本という単位で続けています。まずは、大事な若い木に巻くやり方だそうです。
あと、有害駆除も行っています。これは、平成11年から『給餌』という方法で、鉄砲で撃つ作戦です。阿寒湖に集まって来るシカは密度が濃くなっていて、「食べられる物がないから木を食べるのだろう。餌を置いたら、木が食べられないのではないか」という発想です。これは、当たっているのです。餌を置いてから樹皮被害はなくなりました。ただ問題は、数が減らない。もっと言わせれば、隣町から「阿寒湖でシカを増やしている」と言われたこともあります。餌をまく以上は、同時に減らさないといけないとして、5年間、鉄砲で撃ちました。
 これについては5年間で止めました。なぜ止めたかというと、ひとつには、観光客が来る所で、鉄砲で血の付いたシカを見せるのがどうなのだという考え方。もうひとつは、1回目は成功しますが、2〜3回目はシカも学習するので寄って来ません。これは、5年間で止めて「では、いるシカはどうしよう」となって考え出されたのが生け捕りにする『生体捕獲』で、『囲いワナ』という方法です。これが図面ですが、こういったものを冬に阿寒湖の山、6〜7か所位に設置します。餌を置いた中にカメラをつけて、シカが入ったのを見てフタを閉めます。閉めて追い込んで、追い込んだものをユニックに積んで、そして当社の阿寒の牧場まで運んで来るというやり方です。
 これが、日本初の試みだったのです。行った時には、学者の人は「そんな簡単に捕まらないよ。捕まっても、野生のものを人間が飼うこと等できないよ」と言っていました。でも、意外と簡単に出来てしまいました。これが牧場の様子で、牧場でこのように飼っています。ただ、これも海と同じで、捕れる年と捕れない年があります。多い時では600〜700頭を捕るのですが、今年では70頭とかです。なぜ少なかったかというと、雪の降り方が少なかったか、それとも何処かに逃げて行ったのかハッキリ分からないですが、捕れる年・捕れない年があるということです。
 阿寒の流れでいいますと、阿寒湖で捕まえて、牧場で飼って消費者に届ける方法。もうひとつ、こちらが主流ですが、ハンターさんから買い入れをして、それを売る。狩猟と生体捕獲ものと、2つの流れがあります。牧場で飼育するということが日本初の試みだったことから結構視察に来る方が多い状況になっています。
 『一時養鹿(いちじようろく)』という言い方をしていますが、一時養鹿とは何かというと、完全養鹿ではないということ。あの牧場で生んで、増やしている訳ではないということです。1〜3月までの間にワナで捕まえたシカを、1年間の中で出荷を終える。「1年間しか飼いません」というのが一時養鹿です。実は、これをやった人がいないので、こういう言葉があるがどうかは不明なのです。水産でいうと『蓄養』とか呼ぶらしいのですが、言った者勝ちということで大学でもこの言い方をしています。ひと時飼う一時養鹿というシステムです。
 これのメリットは、出したい時に出せることです。屠殺につきましては、電殺です。豚と同じく、電気ショックを与えて、首を切って、血を抜いてというやり方をしています。狩猟の物では、ハンターさんの腕によって結構違いが出ますが、そういったことはないということです。運動不足になりますので肉的には柔いでしょう、悪い言い方をすれば締まりがない肉になります。デメリットは、餌代がかかります。いくら牛ほどは食べないとはいえ、400〜500頭を飼うと毎月何十万という餌代がかかってしまいます。牛に近いということで、牛に近い餌を与えたりしています。
 エゾシカの安全性について触れたいと思います。消費が伸びなかったひとつの理由に「エゾシカは安全なのか」と疑問視する声が沢山ありました。実際にそうだったのです。何故かというと、家畜とどう違うのかをざっくり言いますが、適用される法律の数が違います。家畜は、沢山の法律で守られています。一方のシカ肉を含む野獣肉は、食品衛生法しか適用されません。今日は食品衛生会の幹部もいますが、食品衛生法はどんな法律かというと、肉でいうと枝肉です。肉になった状態に適用される法律です。生きている時や殺す時、殺して枝肉になるまでの間は一切関係ありません。ですから、屠畜場法というのがあり、屠畜場は大楽毛にありますが、家畜はあそこにしか持ち込めないのです。そこに持ち込むと、獣医さんがいて、獣医さんが全ての内臓を検査して、菌検査も行って「大丈夫ですよ」と出します。シカの場合は、そうなっていないので「安全じゃないよ」という言い方をしていました。屠畜場法に代わるものがないかということで、実は過去になかったので、僕ら生産者が中心になって道庁と一緒に『エゾシカ処理マニュアル』を作りました。これが屠畜場法に代わるものなのです。
 見難いですが、道内の保健所さんから82の施設が、食品衛生上の許可を取っています。衛生処理マニュアルに準じているのが15位しかないです。さらに上にある、HACCP(ハサップ)まで取っているのが5か所しかない。これが現状でして、消費を高めるためには安全衛生面をどんどん高める必要があると言われています。
 すみません、全然時間なくなってしまいました。平成23年度でどの位のシカを捕まえているかですが、全道では13万5000頭、今年で言うと14万頭位を捕っています。有効利用されているのが、14%位の2万頭位しかないのです。多くがゴミになっているのですね。この辺が非常に勿体ないのです。ですから、「ペットフードに入れると非常に価値がある」と言われていますので、この辺の数字を何とか上げたいと言われています。
 最近「エゾシカはどうなっているの」と聞かれるのですが、実は売れています。捕獲数が減っているのもありますが、余っている状況にはないのです。なぜそのようなことが起きているか僕自身の見解ですが、3つあると思っています。1つは『ジビエブーム』というものです。今朝もフジテレビでやっていましたが、東京や大阪では、一昨年ぐらいから始まっていて、これからのシーズンは、フランス料理店では狩猟肉が出されます。「シカが欲しい」というリクエスト。もう1つは、栄養成分が優れているということです。これは、釧路短大の岡本先生が研究をして初めて分かったのです。エゾシカ肉は、一般成分だけ見ると鶏肉とタンパク質・脂質・灰分がほぼ一緒なのです。さらにもっと良いことは、鉄分が多いことです。鉄分は、いろんなものに少しずつしか入っていないので、例えば牛のレバーで“4”しか入っていないものが、今食べたロースで“6”入っています。女性の方が慢性貧血といわれていますが、「女性の方がエゾシカを食べると、貧血の予防ができますよ」と栄養士さんが一生懸命進めているのです。そういったことがブームを支えているかなと思います。そういうことから、栄養面が良いということで釧路市では学校給食にも採用されています。料理教室もあります。
 もう1つは、社会性ということです。昨今は社会性をよく言われますが、エゾシカが売れる理由にそれがあります。なぜ、それが分かったかというと、「コープさっぽろ」さんと「あいちょう」さんに売っていただいていますが、「コープさっぽろ」さんは『バスケット調査』を行っています。バスケット調査とは何かというと、買い物かごに入れた商品の関連性を見ます。エゾシカを買った人は他に何を買ったかという関連性を見ると答えが出ています。ひとつは、健康食品・健康飲料を買う方が多いそうです。「エゾシカは健康食品だな」と思って買うグループ。もうひとつは、高級食材と一緒に買う方が多いそうです。「ジビエの高級食材だ」と思っている方です。「コープさっぽろ」の調べではその2つです。「あいちょう」さんでは、釧路市とFMさんがアンケートを取ったのです。「なぜシカ肉を買いましたか」という項目があって、200個以上のサンプルがあったと思います。その内、数パーセント、多分5〜6人だと思いますが「環境問題や農林被害などに貢献したい、応援したい」という理由で買っている方がいるそうです。これが社会性だと言われていますが、正直、僕もびっくりしました。そんな理由で肉を買う人がいるのかと思いました。
 実際、震災以降、そういった意識を持っている方が非常に多いということがスーパーの調べでは言われています。僕らもエゾシカを行いながら、「環境を守るため」を一生懸命声高らかに10年前からずっと言っていましたが、最近になって分かってくれる方がいるなと思います。
 最後になりますが、この前、消費者協会の方が来てくれてお話をしました。その時に消費者協会の人が「シカ肉、頑張って食べようよ」と言ってくれました。嬉しかったのですが、僕が言ったのは「頑張らなくても結構ですよ」と。だって、僕らの世代ではスーパーに並んでも買わないでしょう。それでも良いのです。ただ、シカ肉は、皆さんが日曜日にゴミ拾いする感覚で、年に1回食べてもらうことによって、ずいぶん変わります。日曜日にゴミ拾いすると体にも環境にも良いと言われますのでそんなつもりで。白幡さんも来ますが白幡さんのお店でもシカ肉を扱っていますので、何処かに行って、シカ肉があれば頼んでいただけると「少し良いことした、体にも良い」ということに繋がりますので、そういった意味でぜひご理解いただいて、この釧路で盛り上げていただけたらと思います。早口ですみません、言いたいこと沢山あったのですが寸足らずの講演ですみません。今日は本当にありがとうございました。


会長謝辞
田中 正巳 会長

 曽我部様、本日は大変忙しいところ、貴重なお話しいただきまして誠にありがとうございます。エゾシカの被害対策から注目され、シカ肉の有効活用について幅広く託されてご活躍されていることが分かりました。これからも、ますますご活躍されますことを心からお祈り申し上げます。本日はどうもありがとうございました。


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 お名前(敬称略)  内        容
青田 敏治 釧路カントリークラブで70歳以上の大会でグランドシニアチャンピオンになりました。
下川部善彦 ライラセミナーに参加させて頂きました当社社員の大藤翔太より、貴重な体験をさせてもらいました、又、後藤様はじめ多くの方々に大変親切にして頂きました。と、報告を受けております。各位様、有難う御座いました。
石子 雅康 当社社員がライラセミナーに参加させていただきました。有難う御座いました。
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